ノルウェーの第三者調査機関であるDNV GLは5月28日、太陽光パネルの信頼性調査結果をまとめた報告書「PVモジュール信頼性スコアカード」の2018年版を公開した(図)。

同調査は太陽光パネルの長期にわたる信頼性データがほとんど入手できないという課題に応えるもので、今年が4回目(関連記事1)(関連記事2)。
今回の調査では、2017年の前回と比較して試験対象となった太陽光パネルの信頼性と耐久性が概ね向上しているとした(表1)。
温度サイクル | 動的機械荷重 | 高温高湿 | PID (-1kV) | |
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試験対象モデル数 | ― | ― | ― | ― |
試験対象BOM数 | ― | ― | ― | ― |
最高位の結果 [%] | 測定可能な劣化なし | 測定可能な劣化なし | 測定可能な劣化なし | 測定可能な劣化なし |
最低位の結果 [%] | -8.8 | -3.1 | -8.1 | -7.4 |
中央値 [%] | -1.6 | -1.2 | -2.5 | -1.4 |
例えば、温度サイクル試験では前回の最下位の結果となったパネルは「完全な故障(Complete Failure)」となり、まったく発電しなかったが、今回は最低でも8.8%の劣化に留まっていることが分かった。PIDでも前回の最下位は90%以上の劣化が見られたが、今回は7%あまりと大幅に改善している。なお、前回まで試験項目に含まれていた結露凍結(Humidity-freeze)試験は、今回は含まれていない。
一方、いくつかある試験項目の内で「高温高湿試験」においては、性能が悪化したという。実際、前回は最下位の結果が5.5%の劣化だったのが、今回は8.1%まで劣化の度合いが増加した。
また、試験対象としてメーカーから提供された部品表(BOM)では9%、型番では12%が1種類以上の試験項目で不良となり、全メーカーのうち22%で少なくとも1つ以上の試験項目が不良となったとしている。不良率は製造工場の所在地や規模とは関連がなかった。