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 東北大学、北海道大学、北見工業大学らの研究グループは2017年6月19日、ドライエッチング法での作製では世界最小となる直径5nmの3次元窒化インジウムガリウム/窒化ガリウム(InGaN/GaN)量子ドットの形成に成功し、従来の窒化物量子井戸構造の100倍の発光効率を確認したと発表した(東北大学のニュースリリース、北海道大学、北見工業大学も同様のリリースを公表)。研究グループの独自技術であるバイオテンプレート技術と中性粒子ビーム加工技術を組み合わせて実現した。全波長領域の高効率量子ドットLEDやレーザーの実用化に向け、大きく前進する成果とする。

バイオテンプレートと中性粒子ビームを用いた量子ドット作製技術の概要
バイオテンプレートと中性粒子ビームを用いた量子ドット作製技術の概要
(図:東北大学のニュースリリースより)
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InGaN/GaNナノピラー構造の概略図と電子顕微鏡像
InGaN/GaNナノピラー構造の概略図と電子顕微鏡像
(写真:東北大学のニュースリリースより)
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 研究チームは今回、金属微粒子を内包した生体超分子を自己組織機能を使って半導体基板上に配置し、ナノサイズの金属微粒子をマスクに用いる独自のバイオテンプレート技術と、中性粒子ビームエッチングを組み合わせ、厚さ2nm、直径5nm程度の量子円盤(量子ナノディスク)構造を積層した高さ30nm程度のナノピラー構造を形成した。バイオテンプレート技術などにより欠陥がなく均一で、20nmの等間隔かつ1011-2以上の高密度でナノディスクを2次元配置できた。

作製した量子ドットの発光効率の比較
作製した量子ドットの発光効率の比較
(図:東北大学のニュースリリースより)
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 形成した量子ドットの発光と発光強度温度依存性をフォトルミネッセンス法で測定した。従来の窒化酸化物量子井戸構造の100倍の内部量子効果を測定できた。また、今回の量子ナノディスク構造の発光波長に対応する420nmから明瞭な発光を確認した。今回の加工手法は均一な量子ドットを数十nm間隔で材料を問わず形成できるため、あらゆる波長帯域を実現できる高効率なLEDやレーザーを実用化できる構造として極めて有望という。