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 公正取引委員会は2016年6月30日、キヤノンによる東芝メディカルシステムズの株式取得について、キヤノンに対して排除措置命令を行わない旨を通知し審査を終了したと発表した(発表資料)。キヤノンから計画届出書の提出を受けて審査を行った結果、「一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと認められた」(同委員会)。

 ただし、キヤノンが届出前に東芝メディカルの普通株式を目的とする新株予約権等を取得し、その対価として実質的に普通株式の対価に相当する額を東芝に支払ったこと、およびキヤノンが新株予約権を行使するまでの間、キヤノンと東芝以外の第三者が東芝メディカルの議決権付株式を保有することとなったこと、についての警告を付している。

 これら一連の行為は「第三者を通じてキヤノンと東芝メディカルとの間に一定の結合関係が形成されるおそれを生じさせるもの」(公正取引委員会)とし、キヤノンが公正取引委員会への届出前に行ったことは「事前届出制度の趣旨を逸脱し、独占禁止法第10条第2項の規定に違反する行為につながるおそれがある」(同委員会)としている。

 そのうえで、今後このような行為を行わないようキヤノンに対して注意するとともに、今回のスキームの実行に関与した東芝に対して今後、事前届出制度の趣旨を逸脱するような行為に関与することのないよう申し入れを行ったという。今後、企業結合を計画する者が仮にこのようなスキームを採る必要があるのであれば「当該スキームの一部を実行する前に届出を行うことが求められる」(同委員会)。