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 JFEスチールは2017年7月6日、ケミカルタンカーのカーゴタンク向けに、二相ステンレス鋼「SUS329J3L」で鋼の表面を被覆したステンレスクラッド鋼板「TMCP型SUS329J3Lステンレスクラッド鋼板」を開発し、日本海事協会から製造法承認を取得したと発表した(ニュースリリース)。

クラッド鋼板
クラッド鋼板
(写真:JFEスチールのニュースリリースより)

 ケミカルタンカーのカーゴタンクは、極めて過酷な腐食環境にあり、また高比重の積荷や波浪など厳しい荷重条件にも耐える必要がある。このため、耐食性と高強度を両立したステンレスクラッド鋼板などが主に使用されている。

 従来のケミカルタンカーのカーゴタンク向けステンレス鋼板では、鋼の表面を被覆するステンレス材料として「SUS316L」が使われることが多かった。この材料に対して今回採用したSUS329J3Lは、固溶化熱処理後の状態で、耐孔食性や耐応力腐食割れ性などの耐食性に優れる。その一方、熱間圧延時に耐食性を劣化させる有害な析出物が生成しやすいという課題があった。

 同社はこの課題を解決するために、制御圧延や加速冷却を駆使して鋼材の強度や靭性などの特性を向上させる、新たな熱加工制御技術を開発した。「TMCP(Thermo-Mechanical Control Process)技術」と呼ぶ。この技術を導入することで、有害な析出物の生成を抑えて耐食性と機械的特性を両立した。今後、ケミカルタンカーへの実船適用を目指す。