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 米Qualcomm社は2017年7月21日、米国や欧州、日本などアジアにおける5G/ギガビットLTE向け周波数の割り当て状況に関する解説を同社ブログに掲載した。同ブログでは今後2035年までの全世界における5Gの経済効果を12兆米ドルと予測。その実現には新たな周波数帯の速やかな商用化が極めて重要だとして、同社は調査資料を公表した。以下にその概要を掲載する。なお同資料は同社のダウンロードサイトから入手可能である(PDF形式)。

Qualcomm社の調査資料「Spectrum for 4G and 5G」
Qualcomm社の調査資料「Spectrum for 4G and 5G」
出所:Qualcomm社
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 5Gについては、600MHz帯などの低周波数帯、3.5GHz帯などの中周波数帯、28GHz帯や39GHz帯などの高周波数帯に加え、ライセンス/アンライセンス/共用といった各種帯域の使用が検討されている。また、その5Gに先駆けて、これら帯域を使ったギガビットLTEでの高速、広域カバレッジモバイルブロードバンド提供が進められている。

 現在の各地域の周波数割り当て状況をまとめると、下記のようになる。

 米国:2017年4月、連邦通信委員会(Federal Communications Commission、FCC)が600MHz帯のオークションを実施。198億米ドルの収益を上げ、70MHz幅のライセンス周波数帯域がモバイルブロードバンド向けに公開される見通しとなった。また中周波数帯については、FCCが3.5 GHz帯を共用周波数帯CBRS(Citizens Broadband Radio Service)として公開済。このCBRSでは、150MHz幅の帯域公開と同時に、重要業務に優先的、効率的に周波数が割り当てられるよう、最優先業務(incumbent)、優先アクセス免許(Priority Access License:PAL)、一般認可アクセス(General Authorized Access:GAA)に分ける3層シェア構造を導入している。この他、5G NRに向け11GHz以上のミリ波周波数帯なども新規周波数帯として検討中。

米国における周波数割り当て状況
米国における周波数割り当て状況
出所:Qualcomm社
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 欧州:2016年に欧州委員会(European Commission、EC)が発行したアクションプランによると、2017年から5Gトライアルを開始し、2018年前半までに5Gネットワーク運用開始。2020年までに各加盟国の1都市以上で商業サービスを開始し、2025年までにEU全土でサービス開始するとしている。まずは700MHz帯で運用開始し、3.4G~3.8GHz帯、26GHz帯、そしてLバンド(1427~1518MHz)による700MHz帯増強構想も推進。2017年から2018年で、3.4G~3.8GHz帯や26GHz帯のオークションも進めている。

欧州における周波数割り当て状況
欧州における周波数割り当て状況
出所:Qualcomm社
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 中国:2017年6月、中華人民共和国工業情報化部(Ministry of Industry & Information Technology、MIIT)が、3.4G~3.6GHz帯、屋内専用に特化した3.3G~3.4GHz帯、および4.8G~5GHz帯を5G向けとして提案。一方で24.75G~27.5GHz帯、37G~42.5GHz帯への要望もあるとしている。2017年7月には、従来の3.4G~3.6GHz帯に加えて、4.8G~5GHz帯、24.75G~27.5GHz帯、37G~42.5GHz帯の5Gトライアルを承認している。

 日本:2017年7月、総務省が3.6G~4.2GHz帯、4.4~4.9GHz帯の最大500MHz幅の帯域、および、27.5~29.5GHz帯の最大2GHz幅の帯域を5G向け周波数とする旨を発表。来年夏までに最終規定を明確にするとしている。

 韓国:2018年に3.4G~3.7GHz帯に加え27.5~28.5GHz帯を用意。次に26.5~27.5GHz帯および28.5G~29.5GHz帯の2GHz幅の帯域、2012年から2026年までにさらに1GHz幅の帯域を追加し、最終的にミリ波周波数帯で合計4GHz幅を5Gに割り当てる計画を打ち出している。

 オーストラリア:5Gへの割り当てとして、3.4G~3.7GHzとミリ波周波数帯を予定。ミリ波については、オーストラリアの事業者Telstra社が、2018年ゴールドコーストで開催のイギリス連邦スポーツ大会、Commonwealth Gamesでの28GHz帯、39GHz帯を使ったトライアル実施を表明している。

 シンガポール:2017年5月、シンガポールの情報通信メディア開発庁(Infocomm Media Development Authority、IMDA)が、5G向け周波数として1GHz未満の低周波数帯、1~6GHz帯、6GHz帯以上の周波数帯に関する調査文書を発行している。

 香港:香港通信局(Communications Authority of Hong Kong)は2017年3月、1GHz未満の低周波数帯、3.4G~3.7GHz帯、24.25G~28.35GHz帯を5G向け周波数とするプランを発表している。

アジアにおける周波数割り当て状況
アジアにおける周波数割り当て状況
出所:Qualcomm社
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