三菱自動車が2016年7月27日に発表した2016年度第1四半期(2016年4~6月)の連結決算によると、4月に発覚した燃費データ不正の影響で1297億円の最終赤字となった。最終赤字は5四半期ぶりである。
同社は不正対象の車両を購入した顧客への賠償金の支払いや、軽自動車の生産と販売を停止したことによる部品メーカーや販売店、OEM(相手先ブランドによる生産)供給先の日産自動車への補償を行うため、1500億円の特別損失を2016年度に計上するとしていた(関連記事)。このうち84%に当たる1259億円を第1四半期に計上したことなどで、当期純損益は前年同期の239億円の黒字から1297億円の赤字になった。
第1四半期の世界販売台数は、前年同期に比べて15.6%減少の22万1000台だった。好調な北米は同5.7%増加の3万7000台だったが、その他の地域はすべて前年実績を下回った。特に燃費データ不正の影響で日本の販売が大きく落ち込み、同44.4%減少の1万台にとどまった(図)。
データ不正問題によって4~6月に軽自動車の販売を停止したことも響いた。第1四半期の売上高は同14.3%減少の4287億円、営業利益は同75.2%減少の46億円だった。ただし大幅な減収減益となったが、特別損失を除くと営業損益では黒字を確保した。
なお、2016年度通期の業績については当初の予想を据え置いた。売上高は前年度に比べて15.7%減少の1兆9100億円、営業利益は同81.9%減少の250億円、経常利益は同77.3%減少の320億円、当期純損益は前年度の3626億円の黒字から、1450億円の赤字になる見通しである。