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図 ディープラーニングを利用したひび割れ検出の展示
図 ディープラーニングを利用したひび割れ検出の展示
鉄道総研技術フォーラム2017(東京開催)の会場で。
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 鉄道総合技術研究所(信号・情報技術研究部)はコンクリートのトンネル内壁(覆工面)を対象とした、ディープラーニングによる検査手法を開発した(ニュースリリース、図)。覆工面を撮影した画像から幅0.5mm以上のひび割れを83%以上の確率で検出できる。トンネル1km分の画像を約15分で処理可能。これまで、画像処理でひび割れを検出する技術はあったが、覆工面の汚れ具合などに応じて多くのパラメーターを調整しなければならず、経験的なノウハウが必要だった。

 ツールには「DIGITS」(米NVIDIA社)を用い、9つのトンネルでレーザー光により得た画像を128ピクセル四方に分割し、ひび割れのあるもの約8万枚、ないもの約25万枚を学習させた。ひびのない画像が多いのは「目地や電線をさまざまなパターンで含むものがあるため」。その上で、検査したいトンネル(学習に使ったトンネルとは別)の覆工面の画像を学習済みのシステムで処理させると、128ピクセル四方ごとにひび割れの存在する確率を算出。この段階で、電線や目地のみが写っている画像を含めて、ひび割れがない画像を除外する。

 この確率をピクセル値として持つ画像(大きさが最初の画像より縦横それぞれ1/128になる)を作成し、画像処理によってノイズを除去する。すなわち、ひび割れが中断して見えないところをひび割れとみなし、ひび割れにしては微小すぎる部分をひび割れではないと判断する。これによって得たひび割れの線は、担当者が作成したものとほぼ同じになった。

 今後はひび割れに加えて、水漏れも検知できるようにする。さらに、補修作業の基準となる「変状展開図」を自動作成し、作業に使えるようにしていく。