太陽光発電協会は8月31日、台風10号による水害で太陽光発電システムが被災した場合の取り扱いについて、注意を促した。
太陽光発電システムの電気主任技術者や販売・施工事業者など、発電システムや関連設備に関する知見がある関係者を対象とし、公共産業用システムが水害により被災した場合の点検・撤去に関する情報としている。それ以外の関係者は、こうした作業に携わらないように求めている。
水害にあった太陽光発電システムは、機能不全に陥っているものと思われる。その状況でも、太陽光パネルは、光が当たると発電するため、電力系統側を遮断したりパワーコンディショナー(PCS)を停止しても、直流側のケーブルや機器端子は充電されている状態にある。
絶縁性が低下し、予期しない場所に電流や電圧が印加されている場合があり、留意してほしいとする。
そのような状況における点検や操作などに際し、必要に応じて、絶縁衣や電気用高圧ゴム長靴、絶縁手袋を着用したり、絶縁処理された工具を使うといった装備をはじめ、太陽光パネルを遮光用シートなどで覆って発電を止めること、パネル間の接続ケーブルなどの接続順序を確認し、無電圧や低電圧になるように処置するといった準備の手順から示した。
点検する場合、発電システムの不要な動作を防止する観点から、電力系統側から受変電設備(低圧の場合は主幹ブレーカー)、PCS、集電箱、接続箱、太陽光パネルの順で作業することが望ましい。絶縁抵抗の測定は、すべての機器のブレーカーや断路器などを開放後に実施する。
確認すべき文書として、JEAC 8021-2013 自家用電気工作物保安管理規程(日本電気協会)、JEM-TR228 小出力太陽光発電システムの保守・点検ガイドライン(日本電機工業会)、 BU145001 太陽光発電システム保守点検ガイドライン【10kW以上の一般用電気工作物】(太陽光発電協会)などを挙げている。