DeNAライフサイエンスと森永乳業は2016年9月から、「腸内フローラ」をテーマにしたヘルスケアサービスの実証事業を開始する。神奈川県の「平成28年度 未病産業の創出に係るモデル事業」の委託事業として実施するもので、血液検査などよりも手軽に健康状態を可視化できるサービスの開発を目指す。
腸内フローラとは、多種多様な細菌が人間の腸内に多数共存し、密集して生育しているさまを指す。近年ではこの腸内フローラが肥満や腸疾患、大腸がんといったさまざまな病気や老化に関連することが分かってきており、腸内フローラの解析による健康状態の可視化に注目が集まっている。
森永乳業は今回の実証事業に先立ち、0~104歳の健常者を対象に腸内フローラに関する研究を実施。乳幼児に多く見られる「乳幼児型」や高齢者に多く見られる「高齢者型」など、腸内フローラには大きく4~5タイプがあることや、加齢に伴ってそのタイプが変化することを明らかにした。実年齢が若くてもこのタイプ(推定腸内年齢)が高齢者型に分類される人は、実年齢よりも腸内フローラが老化している可能性があるという。
実証事業では、「腸内フローラ解析サービス」の開発に向けて、推定腸内年齢の解析手法の検証や、同サービスによる意識・行動変容に関する調査を行う。DeNAライフサイエンスの遺伝子検査サービス「MYCODE」ユーザーの中から1000人以上が協力する予定だ。今後、腸内フローラと遺伝情報の関連についての研究も予定している。