メディカル・データ・ビジョン(MDV)は、看護必要度の正確な記録と適正な評価を支援する無償システムを2016年10月より無償で提供する。同社が提供するDPC分析ベンチマークシステム「EVE」と病院向け経営支援システム「Medical Code」のユーザー向けである。
2016年度診療報酬改定では、地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関して重点が置かれ、その1つに一般病棟用の重症度、医療・看護必要度における要件の厳格化がある。この「重症度、医療・看護必要度」の見直しでは、7対1入院基本料を取得する病院において、重症患者割合が15%から25%へと引き上げられた。
急性期病院では、これまで以上に適切なタイミングでの転棟や転院、在院日数の短縮が求められ、地域における自院の役割を見直す必要が生じる。また、看護必要度のDPCデータ(Hファイル)提出が義務付けられたことにより、今後は正確な記録と適正な評価を行い、精度の高いデータを作成・提出していく必要がある。
今回無償提供するシステムは、看護必要度(Hファイル)のデータ精度の向上や適正な評価につながるシステム。「EVE」「Medical Code」ユーザー向けに、HファイルとE・Fファイルの整合性チェック機能によりHファイル提出時にデータチェックを行い、評価基準を満たす精緻なデータ作成を支援する。看護必要度の評価は主に看護師が中心となるため、あらゆる医療従事者が使用できるよう、病院内の端末にインストールして利用できるクライアントアプリケーションで提供する。
また、「Medical Code」への機能追加として、システム上で日別に看護必要度の評価内容が把握できるだけでなく、原価計算による院内の損益状況と併せて確認できる機能を追加する(2016年11月30日提供開始)。看護師が担うベッドコントロールや退院日の設定に役立ち、看護必要度の運用に携わる看護師の経営参画や医事課とのスムーズな連携に貢献するという。