NTNは9月4日、同社が開発した超小型水力発電装置「NTNマイクロ水車」が、東京電力ホールディングス(東京電力HD)が取り組む「山中に点在する設備や装置に安定的に電力を供給する技術」を解決する独立型電源装置として採用されたと発表した。
同社と東京電力HD、コスモスウェブ(仙台市)、関電工の4社で実証試験機の開発に取り組む。
東京電力HDでは、課題解決のための技術やアイデアを募集するオープンイノベーションサイト「TEPCO CUUSOO」を開設し、さまざまな企業との連携を推進している。NTNは今回、同サイトの課題のひとつにマイクロ水車を提案し、独立型電源装置の発電装置に採用された。
水路式の中小水力発電所は、山中に点在する各種装置を稼動させるために送電線を敷設する必要あり、コスト面で効率が悪いことが課題となっていた。今回、小水力発電所の取水口付近に独立型電源システムを設置し、未活用の水力を用いて付近の設備や装置を稼働させることで、小水力発電所の初期投資コストを大幅に削減する。
既存の水路に置くだけで発電できるマイクロ水車と、関電工の太陽光発電設備、コスモスウェブの制御システムを一体化した。マイクロ水車(出力1kW)と太陽光パネル(出力1kW)で発電した電力を蓄電池に一旦充電し、交直変換装置により交流に変換して各装置に供給する。9月から11月まで実証試験を実施し、データ収集・分析を行う。