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 日立製作所は、自発的に成長する音声対話AI(人工知能)技術を開発した(ニュースリリース)。ヒューマノイドロボット「EMIEW3」の接客・案内サービスでの活用を想定しており、対応できなかった質問をロボット自身が職員に確認し、日々成長できるという。

成長する過程
成長する過程
(図:日立製作所)
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 日立は、羽田空港や商業施設などで、EMIEW3を使った接客・案内サービスの実証実験を行ってきた(関連記事1関連記事2)。実証実験から、質問の「言い方」が多岐にわたるため、意図を正しく理解できず、質問に答えられない場合があるとわかった。このような課題について、従来はシステム管理者がログ分析を行い、定期的に対話コンテンツを拡充する必要があった。

 そこで、EMIEW3が自発的に答えられなかった質問を見つけ、原因を分析し、不明な点を職員に確認できるようにすることで、日々成長可能な音声対話AI技術を開発した。これにより、AIの専門知識を持たない職員であっても、EMIEW3からの質問に答えるだけで対話コンテンツの拡充が可能になる。システム管理者による拡充作業と比べて、工数は約10分の1に削減できるとする。また、EMIEW3は、より早く製品や施設に関する情報が学習できるとともに、質問者の意図を正確に理解し、回答できるようになるという。

 今回の技術は、2つの技術を組み合わせる。1つめは、機械学習を用いて不明点を特定し、自発的に学習する技術。答えられなかった原因を分析して、「答えが登録されていない」のか、「質問の言い方が違うために、意図が正しく理解できない」のかを判断する。その結果、答えが登録されていないと判断した場合は、EMIEW3が職員に答えを聞く。質問の意図がわからなくて答えられないと判断した場合は、質問応答データベースに登録されている類似の質問を探して、同じ意図の質問であるかを職員に確認する。そうして学習した新たな「答え」や「言い方」を質問応答データベースに自動登録していく。

自発的に成長する音声対話AI技術の概要
自発的に成長する音声対話AI技術の概要
(図:日立製作所)
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 もう1つの技術は、学習した「言い方」を効率よく活用する技術。テキストを形態素(意味をもつ最小単位)に分割して、品詞を判別する形態素解析や、形態素間の修飾関係や主語述語関係を同定する構文解析など、自然言語処理技術を用いる。形態素解析と差分検出により、質問の意味が同じである2つの言い方から、置き換えが可能な部分を見つけて「言い換え」の規則を学習する。さらに、構文解析と機械学習を用いて、間違った言い換えを覚えていないかもチェックする。これにより、より正確な言い換えの規則を生成し、他の質問にも適用しながら「言い方」のバリエーションを増やす。

 なお、今回の技術を組み合わせたEMIEW3は、2017年11月1日~2日に東京国際フォーラムで開催するイベント「Hitachi Social Innovation Forum 2017 TOKYO」で展示される。あわせて、羽田空港での実証実験も実施予定。