指定ルール事業者の制御率が減少

 関門連系線は熱容量278万kWの回線が2本あるが、1本は予備で運用上は1回線となる。さらに、事故時の周波数維持を考慮した10月(休日)における運用容量の最大値は200万kW弱となることが広域機関との協議で決まっている。「今回の196万kWの域外送電は、運用容量の最大値を活用したもの」(九電)という(図3)。

図3●関門連系線の運用容量
図3●関門連系線の運用容量
(出所:電力広域的運営推進機関)
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 実は、10月1日に九電は、広域機関の斡旋による長周期広域周波数調整で、112.5万kWを確保しているが、火力発電を前提にした約定分などを太陽光に振り返ることで、200万kW分近くを送れていた可能性もある。

 こうした関門連系線の運用状況を見ると、30日の出力制御を前提にした接続可能量に近づきながら、九電が今年10月12日まで1日も出力制御を実施せずに済んだ秘密も見えてくる。そして、これまで議論の多かった指定ルール事業者の将来的な「出力制御率」のシミュレーションがかなりクリアになっている。

 出力制御率とは、太陽光の発電可能量のうち出力制御によって損失となる割合で、旧ルール事業者は「30日ルール」が適用されるため、年間30日、出力抑制された場合、8~10%となり、それが上限となる。そこで、旧ルール事業者の多くは、事業計画の中に10%程度の出力抑制分を折り込んで収支計画を立てている。

 一方、指定ルール事業者は、旧ルール事業者の抑制日数が30日に達した後も、無制限・無補償で抑制され続けるため、制御率がどこまで増えるかが分からず、それがファイナンスを難しくしていた。指定ルール事業者の制御率をシミュレーションする上で、不確定要素の1つになっていたのが関門連系線の活用量だった。そこで、民間による独自のシミュレーションでは、接続可能量を算定する際の前提だった13万kWを使うことが多かった。

 実は、昨年10月に開催した経産省主催の委員会で、九電は、指定ルール事業者の制御率に関して、連系線活用量13万kWのほか、73万kWに増やしたケースも公開していた。それによると、13万kWでは、接続可能量(817万kW)に指定ルール下で400万kW追加接続した場合に35%になるが、連系線73万kWを前提すると19%に下がる(図4)。

図4●指定ルール事業者の出力制御の見通し(九電による算定結果) 
図4●指定ルール事業者の出力制御の見通し(九電による算定結果) 
上表の「過去の空容量」は13万kW、下表の「運用拡大策を最大限考慮」は73万kWを想定(出所:九州電力)
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 同社では、連系線173万kWの場合の制御率を出していないものの、指定ルール下で300万kW追加接続したケースの試算値はあり、それと概ね同じ効果になるとすれば、連系線173kWケースの制御率は14%となる。