指定ルールでも「30日」程度に収まる?

 これまで民間による代表的なシミュレーションとしては、太陽光発電協会(JPEA)が2015年4月に公表した九電管内の試算がある。それによると、ベース電源477万kW(原発4基稼働)で、指定ルール下で400万kW追加接続時に18.2%となっていた。この試算での関門連系線の活用量は13万kWだった。

 JPEAは、連系線100万kWと200万kW活用ケースを試算していないが、指定ルール下300万kW、200万kW追加接続時の試算値はあり、それと概ね同等の効果があるとすれば、連系線100万kWで13%、200万kWで9.5%となる(図5)。

図5●JPEAにる九州管内の出力制御率の試算(原発4基稼働ケース)
図5●JPEAにる九州管内の出力制御率の試算(原発4基稼働ケース)
(出所:JPEA)
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 こうしてみると、原発4基体制下でも、関門連系線100万~200万kWを活用できれば、指定ルール下で400万kW接続し、太陽光全体で1200万kW導入した場合でも、指定ルール事業者の制御率は、旧ルール事業者とほほ同様か、数ポイント増える程度で収まることが予想される。

 もちろん今後、中国電力や四国電力、関西電力でも太陽光の導入量が増えてくれば、今回のように200万kW近くの域外送電は難しいかもしれないが、「西日本全体が同時に晴れることは少ない」との見方もある。加えて、原発4基体制下でも、13カ月に1回、数カ月の定期点検があることを考えれば、春や秋の昼間低負荷期に原発3基体制になるケースも多いと思われ、その場合、太陽光の制御対象は100万kW程度、減ることになる。

 九電管内の太陽光は、今年8月末までに807万kWが導入され、さらに418万kWが連系承諾済みとなっている(図6)。九電は、10月12日の会見で、「既存の太陽光への出力制御によって、今後さらに多くの太陽光が接続しやすくなる面があり、その意義も評価してほしい」と強調した。そして、今後の太陽光の導入見込みに関して、「連系承諾した約400万kWについては、責任をもって接続していきたい」との方針を表明している。

図6●九州電力管内の太陽光の状況
図6●九州電力管内の太陽光の状況
(出所:九州電力)
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 最も太陽光が急速に導入されている九電エリアでは、原発4基を再稼働しつつ、指定ルールの下で、約800万kWの接続可能量を超え、さらに400万kW程度の規模まで、事業性を持って導入できる道筋が見えてきた。