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登壇したEsposito氏
登壇したEsposito氏
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 米Intel社は2016年12月1日、医療・ヘルスケア分野の取り組みに関する説明会を東京都内で開催。ヘルスケア/ライフサイエンス事業を統括するJennifer Esposito氏(Global Director, Health and Life Sciences, Sales and Marketing Group)が登壇した。

 Esposito氏は、世界的な高齢化の進行や医療費の高騰を背景に、医療には大きな変革が求められていると指摘。(1)コラボレーティブ(collaborative)、(2)分散型、(3)個人向け、という3つの方向性での変革の必要を説いた。

 コラボレーティブとは、医療従事者同士や医療従事者と患者がICTを活用して相互に情報を共有し、よりよりケアを実現していくことを指す。分散型とは、病院内でのケアに限定されることなく、医療従事者と患者にとってよりよい時期や場所で医療を提供すること。「急性期でない患者が入院しているケースで、コミュニティーや在宅へとケアの場を移行させる」(Esposito氏)ような取り組みである。個人向けとは、ゲノム医療に代表される個々人のデータに基づくケアを指す。

 同社が力を入れるIoT(Internet of Things)が特に有用な領域と見るのが、分散型の医療。ウエアラブル端末などを使って患者の日常の状態をモニタリングし、リスクのある患者を特定したり、行動変容を促したりする。あるいは、スマートフォンなどを使って遠隔で患者を診療する遠隔診療などの形だ。IoTを活用することで「コンテキスト(背景)情報や照明環境といった、これまでは存在しなかったデータをケアの改善につなげられる。医療従事者にとっては患者のデータが常に存在するため、患者に何が起きているかを把握しやすくなる」(Esposito氏)。

 遠隔診療や遠隔モニタリングなどの遠隔医療については、その成長性にとりわけ大きな期待を寄せている。遠隔医療の世界市場規模が、2011年の116億米ドルから2016年には273億米ドルに拡大するとの調査会社による予測を紹介した。

 個人向けというトレンドに関しては、1人当たりのゲノム解析コストが、コンピューティング性能の向上などにより劇的に低減したことに触れた。2001年には1億米ドルを要した解読コストが、2015年にはその10万分の1に当たる1000米ドル程度にまで低減。もはや解読コストはボトルネックではなく、解読データの格納や管理が課題だとした。