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 全米保険犯罪局(NICB)は2016年12月7日、クルマの電子キーをコピーし、ドアの解錠だけでなくエンジン始動もできるデバイスの存在を確認したと発表した。NICBは2014年にドアを開錠できるデバイスについて報告していたが、最近確認したデバイスはエンジン始動も可能になっているという。

 NICBは、第三者のセキュリティー専門家を通じて海外企業からデバイスを入手した。自動車メーカーや盗難防止部品メーカーが車両システムの脆弱性を試験するために開発されたものだという。「Relay Attack」ユニットと呼ばれるもので、いくつかのモデルでキーレスエントリーやプッシュボタンによるエンジン始動が可能だった。

 NICBが入手した「Relay Attack」ユニットは、リレーボックスとサブキーからなる。実験では、クルマの所有者が正規の電子キーでドアを施錠すると、近くにいた人が持つリレーボックスが正規キーの信号をコピーする。その信号をサブキーに送信すると、正規キーがなくてもサブキーでドアの施錠とエンジン始動が可能になった。

 米国の大手中古車販売店のCarMax社と協力し、SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)やミニバン、ピックアップトラックを含む35車種の乗用車を試験したところ、19車種(54%)がドアの開錠が可能で、18車種(51%)がエンジン始動が可能だった。

 こうしたデバイスには異なる種類もある。海外で販売され犯罪者が入手できるものもあり、高価なデバイスはより多くのモデルで開錠やエンジン始動が可能という。一つのデバイスですべてのモデルの開錠やエンジン始動が可能になるわけではないが、クルマの窃盗犯にとっては十分な機能を有している。

 さらに、エンジン始動が可能になると、クルマの盗難だけでは済まない。ナビゲーションに登録してあれば窃盗犯に自宅を教えることになり、グローブボックスにガレージオープナーのリモコンが入っていたら、窃盗犯が自宅に侵入することも可能になる。

 クルマの盗難防止技術は過去25年間で進歩し、盗難件数を減らしてきた。しかし、窃盗犯はそれでも盗む方法を探し続けており、技術開発といたちごっこを繰り広げている。現時点でこの種のデバイスを使った盗難を防止する効果的な方法はないが、自動車メーカーは盗難防止の努力を続けなければならない。また、クルマの所有者はこうした脅威を認識し、車内に貴重品をおいたままクルマを離れないなど、できる限りの注意を払う必要があるとしている。