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 電子情報技術産業協会(JEITA)は、電子情報産業の世界生産見通しを発表した(プレスリリース)。2017年の世界生産額は前年比6%増の2兆7401億米ドルで、過去最高を更新する。品目別では、「ディスプレイデバイス」、「半導体」、「ソリューションサービス」が過去最高の生産額を記録する見通しだ。

世界では電子情報産業が活況に。
世界では電子情報産業が活況に。
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 今後、世界的なIoT化、スマートフォン(スマホ)の高速化、自動車の電装化率向上が予想され、それに伴って2018年には電子部品が過去最高の生産額を更新する。2018年の電子情報産業の生産額は前年比4%増の2兆8366億米ドルになると見込む。

 一方、海外生産分含む日系企業による世界生産額は前年比5%増の38兆5403億円。国内生産額は前年比7%増の12兆278億円で、2年ぶりのプラス成長となった。スマホや自動車に加え、データセンター向け需要が拡大したことで、メモリーやCCDなどの「半導体」、中小型を中心とした「ディスプレイデバイス」、コンデンサーやコネクターなどの「電子部品」で生産が増加したという。電子部品の輸出増加や医療用電子機器などの国内需要回復により、2018年の国内生産額は前年比2%増の12兆2955億円のプラス成長が続く。

日系企業や国内生産も堅調に見える。
日系企業や国内生産も堅調に見える。
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 ただし厳密には、前年の2016年に大きく影響した為替要因が改善した結果、という面が強いようだ。好調だったとする品目も、2015年と比べればディスプレイデバイスは日系企業生産額が13%減、国内生産額は14%減で下がったまま、電子部品はほぼ同水準。2015年比で伸びたのは半導体(日系企業生産額が5%増、国内生産額は8%増)のみで、内訳はフラッシュメモリーとCCDだという。

 こうした状況は電子情報産業における日系企業のシェアにも表れている。2017年日系企業シェアは全体で13%で、2016年と変わらず、ピークだった2010年の21%に比べて低迷が続いている。強いとされる電子部品でも、日系企業のシェアは2010年の40%から2017年には38%と、2ポイント低下した。

電子情報技術産業協会 会長の長榮 周作氏。
電子情報技術産業協会 会長の長榮 周作氏。
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 JEITA 会長の長榮 周作氏(パナソニック 取締役会長)は「世界で競争が激化しており、日系企業が事業撤退したりしている影響だろう。今後は、ビッグデータ、IoT、AI(人工知能)が密接に絡み合って、自動運転車であったり、スマートホームであったり、(機器の)中身やビジネスモデルが少しずつ変わっていく。ビジネスチャンスも多く出てくる」として、今後への期待を示した。CPS(サイバーフィジカルシステム)/IoT市場は2016年時点で世界で194兆円、日本で11.1兆円と推定しているが、2030年には約2倍の世界で404.4兆円、日本で19.7兆円になると見込む。長榮氏はこうした市場の変化に合わせるため、「企業間での競争だけでなく協調が必要になる」とした。

 なお、日本でのCPS/IoT利活用市場として2030年に1兆円規模を超えると期待されるのは、「流通・物流」と「医療・介護」の2分野。顧客ニーズの多様化、人手不足、地方過疎化など課題に直面し、解決策としてCPS/IoTが必要になると見込む。

■修正履歴
長榮 周作氏のパナソニックでの役職について「代表取締役会長」としていましたが、現在の役職は正しくは「取締役会長」です。お詫びして訂正します。 [2017/12/19 22:10]