技術の広場
目次
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吉松史彰のWebサービス論【第2回】(4)
MicrosoftとIBMから生まれた技術の当然の成り行きとして,SOAPはこれまでCORBAやDCOMなどが目指していた分野を狙う。すなわち企業間レベルの分散システムの基盤へと歩を進め始める。分散アプリケーション環境の実現には,データ形式をSOAPで規定しただけでは不十分だ。セキュリティや信頼性…
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吉松史彰のWebサービス論【第2回】(3)
実際にSOAPを使ったサービスが公開され始めると,今度はSOAP(つまりXMLとHTTP)のパフォーマンスの悪さが指摘されるようになってきた。当時例として使われた,二つの数を加算するサービスや与えられたシンボルに対して株価を返すようなサービスをインターネット越しに実行すれば,遅いのは当たり前だ。し…
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吉松史彰のWebサービス論【第2回】(2)
WSDLのようなインタフェース定義言語の利点として盛んに吹聴されたのは,WSDLを使えば,それが示すWebサービスにアクセスするコードを自動的に生成できるということである。単純に「つなぐ」部分だけをとればこれは事実で,実際にさまざまな開発環境で,WSDLからアクセス用のコードを自動生成したり,コー…
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吉松史彰のWebサービス論【第2回】(1)
SOAPを中核にブームとなったWebサービス。WSDLやUDDIの実態が明らかになるにつれSOAPの役割はオブジェクトのメソッド呼び出しからドキュメントのやり取りへ変化した。さまざまな周辺規約も提案され,Webサービスが企業間の分散システムの基盤技術として確立し,普及するのはもう確実であるかのよう…
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組み込み最前線(4)
理想と現実のギャップを前に
進まぬ開発技法の確立組み込みソフトウェアの開発で,工学的な技法の確立を求める声が現場から挙がっている。汎用性をもち,現場で誰でもが使えるような開発技法である。もっとも「言う易し行うは難し」だ。多くの課題が横たわる。
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リサーチ最前線――光を閉じ込める減速機構を開発
メモリーやルーターなどに応用可能東京大学大学院工学研究科物理工学専攻の五神(ごのかみ)真教授らの研究グループは,光の伝ぱん速度を40分の1まで落とす「光減速機構」を開発し,動作を確認した。光メモリーや光ルーターへの応用が可能な技術である。例えば,ヘッダの識別中にパケット・データを一時的に蓄えておく,光ルーターのバッファなどに使え…
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ゆるやかな連携で脱管理---生物指向コンピューティング(4)
数百,数千のセンサーから収集した情報を基に,きめ細やかなサービスを提供するセンサー・ネットワーク。ヒトやモノの動きに合わせて動的につながり方を変えることで,アドホックなネットワークを形成する。個々のセンサーの主な通信手段は無線である。
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ゆるやかな連携で脱管理---生物指向コンピューティング(3)
インターネット分野では生物指向を使うことで,障害に強く,柔軟さを維持しながら,伝達遅延の小さなネットワークを構築する研究が盛んだ。研究として大きく二つの方向がある。一つはネットワークの基盤となるルーティング。もう一つは,ネットワークに効率よくストリーミング・データを流すための研究である。
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ゆるやかな連携で脱管理---生物指向コンピューティング(2)
未知の攻撃を検知し,防御する!)!)。こういった生物の免疫機構をコンピュータ・システムに取り入れようという動きがある。
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ゆるやかな連携で脱管理---生物指向コンピューティング(1)
現在のコンピューティング環境では,管理者が常に監視してシステムの調和をとっている。例えば機器が故障すれば交換し,障害復旧のプログラムを走らせる。しかしそうした人による管理は,構成要素が増えるにつれて難しくなる。そこで必要になるのが,あらゆる機器やプログラムが自律して障害復旧や負荷分散,不正アクセス…
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コンピュータが“自律”する日---生物指向コンピューティング(4)
ここまで述べてきたような仕組みをネットワーク,サービス,ストレージなどあらゆるレベルで実装していけば,人がネットワークにつなぎ電源を入れただけで,ユーザーが必要とするシステムが出来上がる世界がやってくる。
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コンピュータが“自律”する日---生物指向コンピューティング(3)
サービスでも,自律分散的なシステムが考えられる。サービスの負荷が高ければ多数のコンピュータで動かし,低ければ少数のコンピュータでまかなう。障害によって通信できないコンピュータがあると,その処理を別のマシンが引き継ぐ。新しいコンピュータがクラスタに加わった場合は,全体の負荷を調整するようにサービスを…
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コンピュータが“自律”する日---生物指向コンピューティング(2)
これを解決する方法の一つが「生物指向コンピューティング」である。つまり,コンピュータを自律的に動作させ,協調的に仕事を分担させる。自律分散システムと言い換えることもできる。周囲の負荷が高いときは処理の一部を肩代わりし,近くの機器が故障したときはその処理を引き継ぐ。うまく動作させれば,耐障害性/耐故…
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コンピュータが“自律”する日---生物指向コンピューティング(1)
コンピュータを人が管理する時代は終わろうとしている。聖書創世記の冒頭には次のような言葉がある。「初めに神は天地を創造した。地は混沌であって,闇が深淵の面にあり,神の霊が水の面を動いていた。『光あれ』と神は言った。こうして光ができた」。
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組み込み最前線(3)
ソフト開発に押し寄せる標準化の波
松下電器や自動車業界が先陣過去2回,組み込みソフトウェアの概要と品質について述べた。組み込み機器に搭載するソフトウェアの爆発的な規模増大と品質を維持することの難しさがお分かりになったことと思う。
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設計に必要な「素直さ」
2月4日,NET&COM2005の講演のため東京ビッグサイトに出かけた。2000年以来,今年で連続6回目の講演だ。昨年までは幕張メッセに隣接する幕張プリンスホテルが講演会場だったが,今年から展示会とともにビッグサイトに移転した。上部が逆ピラミッドのような独特な形をした会議棟6階が会場だ。
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ETロボコン密着レポート【前編】
やっぱりUMLは難しい?
ソフトを競うロボコンが始動自作のソフトウェアを組み込んだロボットを走らせ,タイムを競う。ソフトウェアの設計情報であるモデル図も審査の対象。2005年7月に日本システムハウス協会(JASA)の主催で開催される「ETソフトウェアデザインロボコン(ETロボコン)」は,数あるロボット・コンテストの中でもやや異色の存在だ。ハードウェ…
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吉松史彰のWebサービス論【第1回】(3)
もう一方の,分散オブジェクト環境同士の相互接続性の向上もかなり疑わしい。確かにSO APは元々,アプリケーション(サービス)を構成しているオブジェクトにアクセスできる,XMLベースのメッセージを作成するためのプロトコルとして作られた。当時のSOAPが,Simple Object Access Pr…
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吉松史彰のWebサービス論【第1回】(2)
SOAPが現在のような標準技術として確立できたのは,IBMがSOAPのサポートを発表したことに負うところが大きい。アイルランドIONA Technologies社の仲介もあり12,IBMは2000年5月にWorld Wide Web Consortium(W3C)にNoteとして提出されたSOAP…
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吉松史彰のWebサービス論【第1回】(1)
COM/CORBAを超える技術として衝撃的に登場したSOAP。大手ベンダーの後押しや草の根での活動が実を結び徐々に注目を集めていった。しかし,かつて盛んに強調されたSOAPのメリットの多くは,今となってみれば非現実的なものだった。
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