技術の広場
目次
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特集「携帯・家電に忍び寄る
ネット・セキュリティの闇」(5)セキュリティ・ホールは
開発プロセスや言語で押さえ込む犯罪者に付け入るスキを与えなければ,セキュリティの問題は起こらない。組み込み製品のセキュリティを考える上で,スキを作らないことが最大の対策になる。組み込み製品のスキとはすなわち,プログラムのバグや設定ミス,ユーザーの勘違いを誘うようなユーザー・インタフェースである。
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特集「携帯・家電に忍び寄る
ネット・セキュリティの闇」(4)パソコンの悪夢が今
組み込みの世界に最後の「わざわざ組み込み機器を狙わない」というのはそうかもしれない。確かに脆弱なパソコンが世の中にたくさんあるから。下がったとはいえ,攻撃の敷居が高い組み込み機器を狙うより,パソコンをターゲットにしたほうが断然効率がよい。
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特集「携帯・家電に忍び寄る
ネット・セキュリティの闇」(3)パソコンの悪夢が今
組み込みの世界に一方で,組み込み機器ではパソコンのようなセキュリティ問題が起こらないと考える人たちもいる。「たとえネットワークにつながってもファイアウォールの内側にいるので,それほど危険ではない」「内部構造がブラックボックスなので攻撃されにくい」「日本の組み込み技術者は優秀なのでバグは少ない」「パソコンと異なり,…
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特集「携帯・家電に忍び寄る
ネット・セキュリティの闇」(2)パソコンの悪夢が今
組み込みの世界に「組み込み機器のセキュリティ問題が人命にかかわる事件を引き起こすかもしれない」(ソニーデジタルネットワークアプリケーションズのTechnology Track Advanced Process Initiative松並勝セキュリティテクノロジスト)。
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特集「携帯・家電に忍び寄る
ネット・セキュリティの闇」(1)パソコンの悪夢が今
組み込みの世界に「危ない!」。坂道を登り切るといきなり,ガードレールが眼前に現れた。ほとんど無意識のうちにブレーキを踏む。車体が軽くガードレールに触れたが,何とか大事故にはならなかったようだ。外に出ると,右のライトにヒビが入っていた。幸い走行に支障はない。
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リサーチ最前線---目次
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ガラス基板上に画像用DRAMを形成
携帯用液晶との一体化ねらう--リサーチ最前線NECおよびNEC液晶テクノロジー は,510kビット画像フレーム用DRAM(SOG-DRAM:system on glass-DRAM)をガラス基板上に形成することに成功した(写真1[拡大表示])。SOGは,ガラス基板上に低温ポリシリコンTFT(thin film transistor)回路を形…
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大規模化とともに下がる品質
開発プロセスの見直しが急務--組み込み最前線平均的なソースコードの行数は100万行で,新規開発で30万行にのぼる。大規模化が進む一方の組み込みソフトウェア開発現場は人手不足に悩んでいる。現在開発者は国内で約17万5000人ほどだが,約7万人足りない。こうした状況が,組み込みソフトウェアの品質低下を招いている。
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「主体性」の話
6月17日金曜日,梅雨がひと休みした暑い午後,神田一ツ橋の如水会館へ出かけた。MIS(Management Information System)に関する研究会で講演するためだ。この研究会は日本を代表する化学メーカー20数社がコンピュータ・システムに関する啓蒙や情報交換のため,毎年2回開催している…
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光を閉じ込める減速機構を開発
メモリーやルーターなどに応用可能リサーチ最前線
東京大学大学院工学研究科物理工学専攻の五神ごのかみ 真教授らの研究グループは,光の伝ぱん速度を40分の1まで落とす「光減速機構」を開発し,動作を確認した。光メモリーや光ルーターへの応用が可能な技術である。例えば,ヘッダの識別中にパケット・データを一時的に蓄えておく,光ルーターのバッファなどに使える…
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BYTE EYE「活路を模索する新型ディスプレイ」---目次
高精細,薄型,高速な応答速度,低消費電力—。液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなど,メインストリームに属するディスプレイはこれからもこうした進化を続けるだろう。一方これらとは別の方向で,ディスプレイに新たな付加価値を与えることも検討されている。
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BYTE EYE「活路を模索する新型ディスプレイ」(5)
装着型のディスプレイはヘッドマウント・ディスプレイとも呼ばれ,1990年代前半にバーチャル・リアリティ分野で研究され,90年代半ばには家庭向けに,その後業務用として製品化された。装着型の場合は装置の小型・軽量化が重要だ。
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BYTE EYE「活路を模索する新型ディスプレイ」(4)
ディスプレイを扱いやすくするには,薄く,軽く,割れにくくすべきだ。ただ,現状の液晶ディスプレイはバックライトがあるために薄型・軽量化には限度がある。また,ガラス基板を使っているため,衝撃があると割れてしまう。これらの問題を解決するため,二つの方向で開発が進んでいる。一つが,バックライトが不要な新し…
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BYTE EYE「活路を模索する新型ディスプレイ」(3)
課題の3番目である製造コストに関しては,光線の放射方向を制御する部材が必要となるため,平面表示のディスプレイに比べコストアップは避けられない。部材とは,パララックス・バリアやレンチキュラ・レンズである。部材自体のコストは安価だが,画素に合わせて厳密に張り合わせるため製造コストが上がる。
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BYTE EYE「活路を模索する新型ディスプレイ」(2)
視差数が多くなると疲労感の軽減効果も期待できる。2眼式の場合,左右の目に提示する絵は一つずつなので,ピントは画素の表面(調整位置という)に合う。ところが立体像は空間上に飛び出すように作られているため,眼球の回転運動(輻輳)は空間上の立体像に合わせて作用する。調節位置と輻輳位置が一致しないため,眼精…
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BYTE EYE「活路を模索する新型ディスプレイ」(1)
高精細,薄型,高速な応答速度,低消費電力!)。液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなど,メインストリームに属するディスプレイはこれからもこうした進化を続けるだろう。一方これらとは別の方向で,ディスプレイに新たな付加価値を与えることも検討されている。例えば,リアルな立体表示やフレキシブルな「曲がる…
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高田広章のリアルタイムOS論【第3回】(4)
ITRONの宿命と新展開
Linuxとの違いにライセンス条件がある。オープンソース・ソフトウェアのライセンスとしては,Linuxが採用しているGNU GPL(GNU一般公有使用許諾書)が有名である。GNU GPLには,ソフトウェアを改造して使用した場合,改造したものもオープンにしなくてはならないという条件がある。
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高田広章のリアルタイムOS論【第3回】(3)
ITRONの宿命と新展開
ITRON仕様からの新しい展開として,筆者が中心になって取り組んでいるのがTOPPERSプロジェクトである。TOPPERSプロジェクトを進めるナイーブな動機は,日本の主要産業で重要な役割を果たしている組み込みシステムの分野で,日本独自のITRONの技術を維持・発展させていきたいということである。
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高田広章のリアルタイムOS論【第3回】(2)
ITRONの宿命と新展開
ITRON仕様が国内でデファクト標準となることができたのには,大きく二つの理由がある。一つは,産業界のニーズを的確に把握し,それに応える標準仕様を提示したこと。もう一つは,ITRON仕様,特にμITRON仕様には,有力な競合相手がなかったことである。VxWorksやpSOSなど米国製の有力なリアル…
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高田広章のリアルタイムOS論【第3回】(1)
ITRONの宿命と新展開
本連載の後半では,リアルタイムOSについて,組み込みシステム向けOSならではの側面について詳しく論じる。そこでは,筆者とかかわりの深いリアルタイムOSを前提に話を進めることになる。具体的には,「TOPPERSプロジェクト」で開発中のリアルタイムOSや,そのベースとなっているITRONである。