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 Webブラウザで地図を参照すると,イライラすることが多い。ちょっと表示範囲を移動するだけで地図全体の再描画が起こり,表示が終わるまで待たされるからだ。そうした不便さを解消し,使い勝手を向上させる画期的なWebアプリケーションが登場した。「Googleマップ」や「goo地図」など,いわゆるスクロール地図サイトだ。マウスの動きに合わせて地図の画像がスムーズにスクロールする。

 このようなスクロール地図には,「Ajax」(エイジャックス)という技術が使われている。Ajaxとは今年になって登場した新しい造語で,「asynchronous JavaScript + XML」の略。まだ一般にはなじみの薄い言葉だが,Webの使い勝手を大幅に向上させる技術として,注目を集めつつある。

 Ajaxとは何かを知るには,実際にスクロール地図がどのように動いているのかを理解するのが近道だ。goo地図を例にしくみを見ていこう。

 まずユーザーが住所を検索すると,Webブラウザはその要求をgooのWebサーバーに送る。サーバーは,最初に表示する地図画像と,JavaScriptで書かれたコードをブラウザに返信する。このコードがWebブラウザ上で動くと,マウスの動きに合わせてスクロール先の地図画像を自動的にダウンロードし,ブラウザ画面に順次描画していく。ここではgoo地図の例を取り上げたが,Googleマップも基本的に同じしくみで動いている。

 このように,Webブラウザ上で動くJavaScriptのコードがWebサーバーと自律的に通信している。Ajaxとは,このWebアプリケーションのしくみ(あるいは開発手法)のことで,使い勝手を向上させる工夫だ。

 AjaxはJavaScriptを使っているため,「開発が容易なうえに,WindowsやMacintosh,Linuxなど幅広いプラットフォームをカバーできる」と,Googleマップの開発に携った米グーグルのラース・ラスムセン氏は説明する(関連記事)。また,FlashやJavaのようにソフトウエアの追加インストールが必要ないので,ユーザーに手間をかけない。

 ほかにもAjaxを利用したサービスはある。入力欄に文字を入れると検索候補をリアルタイムで表示する「gooキーワードアシスト」や「Googleサジェスト」である。グーグルが米国で提供するWebメール・サービス「Gmail」もAjaxを利用している。今後,Ajaxで作られた驚くべきWebアプリケーションが登場するはずだ。