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サーバー型の主流OSはWSS

図5 SCSIコマンドをIPネットワーク上でカプセル化する「iSCSI」なら通常のファイル転送よりも効率のよいやりとりが可能
 PCサーバーをファイル・サーバーに仕立てる場合,OSにWindowsではなくLinuxを採用する理由の多くはライセンス料にある。Linuxは基本的に無料で使えるのに,Windowsはサーバー・ソフトに加えユーザーごとにCALと呼ばれる1人当たり数千円のライセンスが必要になる。もし20~30人で利用するケースだと,サーバーOSと合わせてソフトだけで20万円以上の費用が発生してしまう。

 その点,WSS2003はNAS市場をターゲットにしたマイクロソフトの戦略商品なので,CALは不要になっている。ライセンスとして発生するのは,NASベンダーがマイクロソフトに支払う分だけ。その価格も比較的低価格に抑えている。このため,20万円を超えるようなサーバー型のNASでは,ユーザーにとって使い勝手のよいWSS2003が徐々に優勢となり,現在では圧倒的になりつつあるようだ。

 ただし,サーバー型でもバッファローのTeraStation(テラステーション)のような1Tバイトで約10万円という低価格NASでは,Linuxが使われている。このほか,今回取り上げた製品よりさらに高価で何十台ものディスクを接続するNAS製品でも,ベンダーが手を入れやすいLinuxを採用したものが多い。

サーバー型は形状を選べる

 最後に,サーバー型NASの形状やCPUについても説明しておこう。もちろんCPUはパフォーマンスに影響する重要な要素。実際のパフォーマンスは同時接続数で決まるため一概には言えないが,目安としてはCeleron(セレロン)やPentium 4で100ユーザー程度,サーバー用CPUのXeonで300ユーザー程度までがカバーできるようだ。

 形状についても,「ユーザーはディスクの容量と設置場所に合わせた形状で製品を決める」(NEC クライアント・サーバ販売推進本部の前田 保宏マネージャー)というように,実際に製品を選択する際の重要なポイントとなる。

 サーバー型NASはハードディスク型NASよりも製品形状がバラエティに富んでいる。残念ながらハードディスク型のようにどこでも置けるというわけにはいかないが,ボックス型,タワー型,ラック型の中から,ユーザーの希望に合わせてある程度選べる。例えば,NECや日本ヒューレット・パッカードでは,同じようなスペックでタワー型とラック型の両方の製品を用意している。このため,すでにラックがあればラック型を,机の横などに単体で置きたければタワー型を選ぶことができる。

将来的に注目されるiSCSI技術

 今後のNAS製品で注目される技術がiSCSI(アイスカジー)である。iSCSI(internet small computer system interface)とはハードディスク装置を制御するインタフェース仕様であるSCSIの命令をIPパケット上にカプセル化してネットワーク経由でドライブをコントロールできるようにしたプロトコル。WSS2003では,すでに「iSCSI Software Initiator」という名前で機能を提供している。つまり,WSS2003を搭載するサーバー型NASの上位機種では利用できる状況にある。

 プロトコルにSMB/CIFSやAFP,NFSではなくiSCSIを使うことで,ファイル単位ではなくディスクのブロック単位でデータをやりとりできるようになる(図5[拡大表示])。つまり,ファイルよりも細かい単位でデータをやりとりできるので,パフォーマンスの向上が期待できる。そのほか,他のNAS製品とiSCSIで連携させて,ファイバ・チャネルのような高価な設備を使わなくても,IPネットワーク上でSANを実現するといったことが期待できる。