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写真1●Web検索風インタフェースの詳細検索画面。Web検索対象とするブログの言語をポップアップ・メニューで設定する
写真1●Web検索風インタフェースの詳細検索画面。Web検索対象とするブログの言語をポップアップ・メニューで設定する
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写真2●Blogger風インタフェースの詳細検索画面。言語の設定はチェック・ボックスで。いずれの詳細検索も,ブログのタイトルや掲載者の名前,掲載日付の範囲などが設定できる。同様に,子供に有害なブログの表示を制限する機能も備えている
写真2●Blogger風インタフェースの詳細検索画面。言語の設定はチェック・ボックスで。いずれの詳細検索も,ブログのタイトルや掲載者の名前,掲載日付の範囲などが設定できる。同様に,子供に有害なブログの表示を制限する機能も備えている
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 米Googleが米国時間9月14日,ブログ検索サービス「Blog Search」を始めた(関連記事)。Google社は2003年2月に米Pyra Labsを買収し,同社のブログ・サービス「Blogger」を自社ブランドで提供開始。その際,ブログ用検索エンジンの開発に着手していると発表していた。あれから2年半,ついに待望のサービスが登場したというわけである。

 しかしこの分野では米Technoratiなどの新興企業が先にサービスを展開しており,その技術にも定評がある。はたしてGoogle社は新市場にどう挑むのか。またGoogle社の参入で業界に変化がもたらされるのか――今回はブログ検索について米メディアなどをみながらレポートしてみる。

「すべてのブログが目標」

 まずGoogle社のBlog Searchについて検証してみる。同サービスは,GoogleのWeb検索風ページ(blogsearch.google.com)やBlogger風ページ(search.blogger.com)などで提供されている。この2つ,デザインは若干異なるものの機能は同じである(写真1写真2)。

 いずれもGoogle社のほかのサービス同様シンプルなインタフェースだ。検索結果のページでは,検索語にマッチするブログ・サイトがある場合,それらをショート・リストとして上部に表示する。これはユーザーが特定のブログ・サイトを探しているときに便利という。そしてメインとなる個々の書き込みは,このショート・リストの下にずらりと並ぶようになっている。

 検索対象となるのは同社のBloggerサービスだけではない。Google社は検索対象となるブログの数について今のところ具体的な数字を明らかにしていないが,将来的な目標はすべてのブログを対象にすることと述べている(Google社の資料)。

 気になる上位表示の順位であるが,Search Engine Watchのレポートによれば,Blog SearchにはGoogleのWeb検索アルゴリズムを多用しており,これに従った表示を行っているとのことである(掲載記事)。

ブログ検索ならではの特性

 その一方でWeb検索とは異なる点も多くある。例えば関連性の高い順位表示から最新順表示に切り替えるオプションなどを用意。これはブログ検索では不可欠な機能である。またBlog Searchは「robots.txt」プロトコルにも対応している。これはWeb掲載者が特定のサイトを検索エンジンの索引に含まれないようにする仕組みだ。ブログには個人的な日記という側面があることから,Blog Searchでもこうした配慮をしているということである(Google社の資料)。

 Blog SearchではURLが含まれる書き込みの検索結果表示を一切制限しておらず,これもWeb検索と異なる点だ。Blog SearchもWeb検索同様,「link:」コマンド(あるいは詳細検索)を使って,特定のURLが掲載されているページを検索できる。これは,例えば「link:www.google.com」で検索すると,Google社のサイトにリンクを張っているページが検索できるというものだが,Web検索の場合,そのまま結果を表示してしまうとSEO(検索エンジン最適化)マーケターなどに利用されてしまうことがある。そのためGoogle社はWeb検索で同コマンドによる結果表示に制限を加えている。これがBlog Searchでは一切制限を加えていない,完全な形の結果リストを提供しているというわけだ(Search Engine Watchの記事)。

 これら以外でもBlog Searchは便利な機能を用意している。例えば,検索結果ページの一番下では,RSS/Atomフィードを提供している。これを自分のRSSリーダーなどに取り込んでおけば,検索語にマッチする書き込みが追加されるたびにそれを知ることができる。

ブログ掲載者に募る不満

 こうしてBlog Searchをみてみると,何から何まで至れり尽くせりのサービスのように思えるのだが,米メディアをチェックしていると,不満の声も少なくないことが分かる。

 それはブログ掲載者側の不満である。例えばTechWhack Newsの記事では,同社のブログの大半がBlog Searchで検索できないと報告している。また,索引の更新もきわめて遅いというのだ(掲載記事)。

 Google社の資料によれば,Blog Searchは他のブログ検索サービス同様に一般的なPingサーバーをチェックしているという(Google社の資料)。Pingサーバーは更新通知サーバーとも呼ばれており,ブログの掲載者が記事を投稿した際,そのサイトが更新されたという情報を受け取り,それをもとに新着の書き込みを掲載している。多くのブログ・サービスがこの仕組みを備えているため,ユーザーは意識しなくても自分の書き込みの露出が図れるとうわけだ。またブログ検索サービスもこの更新通知を利用することで,索引の更新を速やかに行える。

 Blog Searchでも,同様にWeblogs.comなどの代表的なPingサーバーを利用しているという。Google社ブログ検索部門プロダクト・マネージャのJason Goldman氏は,Search Engine Watchのインタビューに答えて,自分のブログ・システムがこうしたPingサーバーにきちんと更新通知を送るように設定されているか確認しておく必要があると説明している。また最も簡単な方法は,Ping-O-Maticのようなサービスを使うことという(掲載記事)。このPing-O-MaticはWebのフォームで各種情報を入力することで,複数の代表的なPingサーバーに対し,まとめて更新通知を送れるというサービスである。

 Google社でも同様のサービスを提供する計画があるとのことだ。しかしGoogle社の場合,ユーザーが自分のブログの更新通知を手作業でGoogle社のシステムに送るということだけにとどまるようである(Google社の資料)。

ライバルが着々と準備進める

 Blog SearchがWeb検索と決定的に違うのは,Webページの全文を対象に索引を作成しているわけではないという点。対象は,RSSなどでフィードされるサマリーだ。これにより,ある一定の期間の投稿を正確に抽出できるなど,これまで以上に検索の精度が高まるとGoogle社では説明している。確かにそれも一理あるという気がする。これまでは,膨大なWebページからほんの数粒の貴重な情報を抜き出すという「砂金取り」の作業だったが,ブログ検索の場合,きちんとした意味情報から必要な情報を効率よく抜き出すという手法に変わる。これが今後の検索の新たな流れになっていくのかも知れない。

 しかし,そのこととGoogle社が業界で優位に立てるかは別問題である。Google社が現段階で提供しているのは,同社が索引作業を始めた今年6月以降の書き込みに限定されている(同社は6月以前の書き込みについても今後索引を増やしていくとしているが)。また,実際筆者が自分のブログを更新後,検索実験を行ったところ速く表示されたのはTechnorati社テクノラティジャパンのサービスだった。検索語の選び方などの条件で影響が出たのかもしれないが,こうした使い勝手の違いがユーザーの満足度に大きく影響してくるのかもしれない。

 Technorati社が対象にするブログ数は9月22日現在で1780万にも及ぶ。また日本市場ではアスクジーブスジャパンも「Ask.jp」でブログ検索を始めた。こちらは情報更新を1分ごとに行うという力の入れようである(関連記事)。Google社はこうした先行企業にどう挑むのか,今後の動向が注目されるだろう。

 米Pew Internet & American Life Projectが行った調査によると米国のブログ読者数は5000万人に達しているという。ブログ・サイトは企業サイトなどに比べユーザー層を絞り込みやすいことから検索を使った広告展開がしやすいと言われている。Google社も今後Blog Searchでユーザーの検索動向を研究し,新たな広告モデルを開発したい考えという。

 その一方で,米Yahoo!や米MicrosoftのMSNもブログ検索の準備を進めているという(米CNET.News.comの記事)。これら大手は今後開発を加速させるはずだ。ブログ検索市場が今後どのような展開を見せるか,今のところ定かではないが,Googleの参入で市場が活気づいてきたことは確かなようだ。

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■著者紹介:小久保 重信(こくぼ しげのぶ)
ニューズフロント社長。1961年生まれ。98年よりBizTech,BizIT,IT Proの「USニュースフラッシュ」記事を執筆。2000年,有限会社ビットアークを共同設立し,「日経MAC」などに寄稿。2001年,株式会社ニューズフロントを設立。「ニュースの収集から記事執筆・編集など,IT専門記者・翻訳者の能力を生かした一貫した制作業務」を専門とする。共同著書に「ファイルメーカーPro 職人のTips 100」(日経BP社,2000年)がある。