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表●サン・マイクロシステムズが投入した新サーバーと競合製品
表●サン・マイクロシステムズが投入した新サーバーと競合製品
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9月16日、サン・マイクロシステムズはPCサーバー市場への本格参入を発表した。プロセサに、インテルのXeonではなくAMDのOpteronを採用。AMDの協力も得て、設計面の工夫で可用性を高めた上で価格を抑えた。UNIXサーバーでの苦境を乗り切ることを狙う。

 「デルのXeon搭載機に比べ、性能は1.5倍で価格は半分」。米サン・マイクロシステムズのスコット・マクニーリ会長兼CEO(最高経営責任者)は9月16日、東京で開いた発表会で、こう言い放った。拡張性などが異なるため必ずしも“半額”とは言えないが、戦略的な値付けであることは確かだ([拡大表示])。

 サンはこれまでもOpteron搭載機を提供してきた。しかし今回の新サーバーSun Fire X4100とX4200は、力の入れ方が違う。マクニーリCEOが「サーバー機のパッケージングでは世界でも第一人者」と自賛するチーフ・アーキテクト兼上級副社長のアンディ・ベクトルシャイム氏が設計を担当。発表会には米AMDのヘクター・ルイズ会長兼CEOが同席し、「設計に全面協力した」と蜜月ぶりをアピールした。

 設計面では、きょう体内の配線を極力少なくして信頼性を高めたほか、障害発生時に交換部品がすぐ分かるよう、各部品にLEDを付けた。下位モデルでも電源やファンを冗長化して活線挿抜を可能にし、リモート管理機能を搭載して遠隔から起動や設定、ソフトのインストールができるようにした。

 冒頭のような言葉が出てきたのは、現在、OpteronがXeonに対して処理性能と消費電力の面で水をあけている点が大きい。両方のサーバーをラインアップに持つ日本ヒューレット・パッカード(HP)の担当者は、「高性能と低消費電力が受け、Opteron搭載機は、Xeon搭載機よりも出荷金額の伸び率が格段に大きい」と打ち明ける。

 OSは、Linux、Windowsに加えてSolarisも動く。にもかかわらず、先行ベンダー製品よりも価格を抑えた。来年中には8プロセサ(16コア)を搭載した製品まで、ラインアップを拡充する計画である。

 2005年第2四半期のUNIXサーバーの出荷金額(米IDC調査)で、サンは米IBM、HPの後塵を拝するなど厳しい状況が続いている。その穴を埋めるため、PCサーバーに復活をかける。

 ただし新PCサーバーへの注力は、サンにとって両刃の剣である。Solarisが動作するOpteronへのシフトは、自社製プロセサSPARCを搭載したサーバーの売り上げを侵食するからだ。同社のUNIXサーバーを販売する国内パートナーとの間にも、あつれきを生みかねない。発表会で賛同支援コメントを寄せた数十社の中に、NECと富士通の名前はなかった。両社は「サンのOpteron搭載サーバーを販売する予定はない」(広報)と本誌にコメントしている。

 一方で冒頭の記者会見から4日後、米国ではプロセサにUltraSPARC IV+を搭載したサーバー5機種を発表。SPARCにも引き続き力を入れることを示した。来年春にはSPARCの次世代版「Niagara(ナイアガラ)」と呼ぶ8個のコアを持つプロセサの出荷を控える。OpteronとSPARCの間で、難しい舵取りが迫られる。