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 2000年4月の介護保険制度の開始から5年。介護保険給付は年々増大し、介護事業者にとっての市場も急拡大した。ユーザー企業のIT活用は遅れているが、ソリューションプロバイダは将来の市場獲得に向け次々に手を打っている。



 2004年度の介護保険費用の総額は、2000年度の3兆6000億円から、2004年度は、6.1兆円(予算ベース)に大きく伸びた。要介護認定者数は、2004年度末に384万人に達している。

 介護保険給付の増大によって、介護事業者のビジネスも拡大している。例えば、介護事業大手コムスンの売上高は、2001年6月期の121億円から、2005年6月期は509億円と4倍増。2005年6月期は300拠点を増設し、全国の拠点数は1100カ所を超えた。一方、少数拠点で地域密着型のサービスを提供する介護事業者も多く、独立行政法人の福祉医療機構によると、2005年9月末時点の介護保険指定サービス事業者の事業所・施設数は、26万7342カ所に上る。

 他業種からの介護ビジネスへの参入も相次いでいる。例えば昨年4月にワタミメディカルサービスを設立して介護事業に参入したワタミは今年10月、大阪府岸和田市に食費込みで月額11万5000円という破格の高齢者マンションをオープンした。2020年までには1000棟を建設する計画だ。

保険請求でパッケージが浸透

 市場の急拡大を受け、介護事業者向けのシステムを提供するソリューションプロバイダも一気に増えた。介護事業者の主な業務内容は、介護サービス利用者へのケアプランの作成やサービス提供の支援を提供する介護支援(ケアマネジメント)業務と、在宅介護や施設介護といった、実際の介護サービスを提供する業務の大きく2つに分類できる。

 いずれも介護保険法に則って、サービス内容や保険請求の管理が必須になる。ソリューションプロバイダ各社は、これらの業務を支えるパッケージ製品を提供している。特に介護保険では開始当初から、国民健康保険団体連合会への保険請求を電子データで提出することが原則として義務付けられており、保険請求業務を中心とするパッケージの利用は急拡大した。例えば富士通が提供する介護事業者向けパッケージ「HOPE/WINCARE」は、今年4月時点で、全国7192拠点に導入実績を持つ。

 ただし、現状ではユーザー企業のIT活用はあまり進んでいない。その要因の1つは度重なる法改正への対応だ。介護保険は現在、3年おきに制度の見直しが実施されており、2006年4月にも制度変更される予定。ソリューションプロバイダはそのたびに対応を迫られコスト負担となっている。