PR

 CO2の排出規制、取引先からの圧力、欧州の厳しい環境規制対策、企業ブランド向上など、ユーザー企業は様々な環境対策を迫られている。ソリューションプロバイダも環境配慮型のITソリューション提案が必要になってきた。



 「環境負荷」が、IT商談のキーワードとして浮上し始めた。NECや日立製作所、富士通、そしてリコーやキヤノンなどのメーカーや、メーカー系ソリューションプロバイダ各社は、実践を通じて社内で蓄積してきた環境対策ノウハウを武器に、「環境配慮型」のシステム提案活動を強化し始めた。

 環境対策のためのIT投資は今後急速に拡大するという予測もある。矢野経済研究所が環境関連のソリューションを手掛ける各社に聞いてまとめたレポートによれば、環境関連のITビジネスの市場規模は、2005年度を境に急拡大を始めるという。

 中でも伸びが大きいのは、(1)ISO14000受審用の文書管理システムや環境会計システムなど、環境経営を実行するための情報管理システムの構築、(2)国内外の環境関連法や規制対象の物質、廃棄物などの情報を管理する環境データベースの構築、(3)有害物質などの状況を監視する環境モニタリング—の3カテゴリーだ。

 典型的な例は、2005年7月に欧州連合(EU)が施行する「RoHS(ローズ)指令」を巡る動きだ。目的は、電気・電子製品での有害な化学物質の使用を規制すること。違反製品はEUという大市場から閉め出されることになるため、製造業各社が対応を急いでいる。部品メーカーなどと連携して、製品に有害物質が含まれていないかどうかを把握できるよう、有害物質管理システムを導入する例が相次いでいる。

ソフト/サービスにも対応広がる

 環境対策の目的は、企業活動が環境に与える負荷を減らすことに尽きる。この「環境への負荷」を測る汎用的な単位が、「CO2排出量」だ。あらゆる企業活動について、一定のルールでCO2排出量を算出できる。例えば、「文書キャビネット1つ分に相当する紙の文書を電子化したら、CO2排出量はどれだけ減らせるか」、といった試算にも使える。

 ハードのメーカーはこれまでも、環境負荷の低い製品の開発に取り組んできた。さらに、工場という環境負荷の大きな拠点を抱えており、厳しい環境規制を敷く欧州諸国に製品を輸出するケースも多いという事情から、環境負荷低減について豊富なノウハウを蓄積している。IT商材の中でも、パソコンやサーバー、ネットワーク機器などのハード製品については、既に環境対策がかなり進んでいる。

 だが今後の焦点になるのは、これまでほとんど環境負荷が意識されていなかったソフトやサービスの分野だ。

 NECの須田政弘CSR推進本部環境推進部エキスパートは、「ハード製品だけでなく、ソフトやサービスにも環境負荷低減の考え方を広げていくことが我々のミッション」と語る。同社では2005年5月、「エコシンボル」と呼ぶ独自のロゴを作り、環境負荷の低減効果が大きいソフト/サービス商品をロゴで示す活動を始めた。

 エコシンボルの認定基準の中には、環境負荷の削減効果に関するものがある。具体的には「CO2の排出量を従来の半分以下に減らせる、もしくは年間1500トン以上のCO2削減が可能」といったものだ。これまでに、Webベースのテレビ会議ソリューション「コミュニケーションドア」(削減率89%)、画像閲覧ソフト「DocumentSkipper」(同71%)など、6種類の商品が認定されている。