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 キヤノンシステムソリューションズの前田貴純は、受注高、売り上げ、利益、の3つの目標をクリアする“3冠”を、毎年確実に達成してきた辣腕営業マン。年々高くなるハードルに気を引き締め、日々客先を奔走する毎日だ。

 そんな前田が最も重視しているのが、顧客とのコミュニケーション。“話す”ことと“伝わる”ことの違いにこだわる。「話すだけでは、コミュニケーションとは言えない。話の真意が相手に伝わって、初めてコミュニケーションになる」。

 前田自身、“伝わる”ことの重要性を痛感した経験がある。顧客との交渉で、コストアップにつながる要件を顧客に話しておいたものの、相手が重要事項だと思ってくれておらず、契約時点になって、値引きを余儀なくされたことがあるのだ。営業活動で、顧客に言いにくいことは、さっと話して済ませがちになる。だが、「そういうことこそ、後から『あの時約束してくれましたよね』と自信をもって言えるように伝えることが大事」なのだ。そのために「何かを決めるときには、全身全霊を傾けて相手の反応にアンテナを張る」。

 前田の担当顧客には、前任の担当者から引き継いだ企業も多い。そこで前田がすごいのは、引き継いだ顧客企業に素早く食い込み、売り上げを確実に拡大していくことだ。営業担当者が代わると、顧客との関係作りに時間を取られたり、うまく引き継げず売り上げを落とすことが少なくないが、前田にはそんな心配は無用だ。

 いち早く自分を印象付けるため、泥臭い営業活動も忘れない。顧客と初めて面談すると、その後3日続けて客先に顔を出す、というのがその1つ。「新しい店に食事に行き、その後3日連続で通えば、3日でなじみ客になれる。営業も同じこと」と笑う。

 実はこの作戦は、顧客から教えてもらったこと。前田は「身だしなみから営業の仕方まで、顧客に教えられ、鍛えられた」と話す。もっとも、関西弁丸出しの少々濃いめのキャラクターも、顧客との関係作りに一役買っているのは、間違いなさそうだ。

=文中敬称略

前田 貴純(まえだ たかとし)氏
キヤノンシステムソリューションズ
製造事業部 第二営業部
第二グループ グループ長
1968年、兵庫県生まれ。神戸商科大学を卒業後、91年に住友金属工業にSEとして入社。生産管理システムなどの開発を手掛ける。97年に住友金属システム開発(現キヤノンシステムソリューションズ)に出向。2000年6月に東日本営業部へ異動し、現在は生産管理やSCMシステムなどを製造業向けに売り込む。鞄の中の、弁当箱そっくりなパソコンケースは母親の手作り。営業先で「まだ乳離れできなくて」と、会話のつかみとして活躍しているとか。