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 ソフトバンク・テクノロジーは、スタジオアリスから写真画像データを管理するシステム構築を受注した。信頼を勝ち得た上で、他社との違いを鮮明に打ち出す提案が功を奏した。



 「この見積もりは、一体どうなっているんだ」。全国で子供専門の写真館「こども写真城スタジオアリス」を展開するスタジオアリス執行役員営業本部生産管理部長を務める古村裕は唖然となった。目の前には、ソフトバンク・テクノロジー営業統括部営業5部デジタルコンテンツソリューションセールスグループマネージャーの三木武が提示した見積書があった。

 スタジオアリスの各店舗から東京都日野市のアリスデジタルソリューションセンター(アリスDSC)に伝送される写真画像データを集中管理するシステムの商談でのことだ。古村が目を疑ったのは、見積もりの金額が高かったからではなく、その逆だった。

 他社が提示していた見積もり金額が数億円だったのに対して、ソフトバンク・テクノロジーが提示していたのは10分の1以下の数千万円。あまりの安さに古村は「この金額はありえない。本気でやろうという気があるのか」と、疑念を抱いたのだ。

 実はこの商談、ソフトバンク・テクノロジーとスタジオアリスは初顔合わせの上に、見積もりを提出した時点では三木たちが訪問を開始して間もないころだった。両者の間を流れるぎこちない空気。一筋縄ではいかない商談と、三木たちは覚悟していた。

ビジネスのデジタル化が急務に

 この季節、毎年秋になると、全国のスタジオアリスの店舗は、七五三の記念撮影に訪れる親子連れでにぎわう。スチールカメラで撮影し、フィルムを外部のラボ(現像所)で現像して、写真を客に手渡すのが業務の流れだ。

 しかし、アナログ写真のスタイルに、スタジオアリスは以前から限界を感じていた。現像コストがかさむ上に、客に写真を渡すまでに約3週間もかかる。撮影後のネガフィルムを管理するための場所や手間も負担になっていた。そして、限界を感じる最大の理由について、古村はこう語る。「新サービスを開発しようにも、アナログ写真だとどうしてもビジネスに広がりが出ない」。

 2004年9月、スタジオアリスは岸里店(大阪市)で、デジタル化の試験運用に踏み切った。デジタルカメラで撮影した写真画像データを、インターネットで外部ラボに伝送する仕組みだ。だが、写真画像データは店舗で管理しなければならないこと、ラボと1店舗をつなぐだけの運用では全国の店舗で展開する青写真が描けなかったこと、ネットワークセキュリティの確保などの課題が浮上した。

 「全国の店舗から伝送される大容量のデータを、1カ所で集中管理し現像・加工までできる仕組みが必要だ」。スタジオアリスは、システムの見直しを迫られた。2004年も終わりを迎えようとしていた時のことだ。