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写真1  SOG-DRAMのチップ写真<BR>サイズは42.8mm×8mm。メモリーアレイは127kビット・アレイ4個(127k×4=510k)に分割している。
写真1 SOG-DRAMのチップ写真<BR>サイズは42.8mm×8mm。メモリーアレイは127kビット・アレイ4個(127k×4=510k)に分割している。
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図  1枚のガラス基板にSOG-DRAMと液晶ディスプレイを集積した場合の機能ブロック
図 1枚のガラス基板にSOG-DRAMと液晶ディスプレイを集積した場合の機能ブロック
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写真2  SOG-DRAMに集積した色情報圧縮/伸長回路の効果&lt;BR&gt;左が元データ。右は同じデータを同社独自のアルゴリズム「SPC(smart pixel data codec)」で圧縮,蓄積し伸長した後に表示した場合。
写真2 SOG-DRAMに集積した色情報圧縮/伸長回路の効果<BR>左が元データ。右は同じデータを同社独自のアルゴリズム「SPC(smart pixel data codec)」で圧縮,蓄積し伸長した後に表示した場合。
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 NECおよびNEC液晶テクノロジー は,510kビット画像フレーム用DRAM(SOG-DRAM:system on glass-DRAM)をガラス基板上に形成することに成功した(写真1[拡大表示])。SOGは,ガラス基板上に低温ポリシリコンTFT(thin film transistor)回路を形成する技術である。

 今回の発表はSOG-DRAM単体のみの学術的なもの。NEC液晶テクノロジーは今後,携帯電話機用液晶ディスプレイのガラス基板上にSOG-DRAMを集積した製品を開発する予定。「携帯電話機の低消費電力化を狙う」(NEC液晶テクノロジー SOG研究開発センター長の金子 節夫氏)という。携帯電話機の待ち受け画像をSOG-DRAMに蓄えておくことで,待ち受け時の表示画像を主記憶からディスプレイ部に転送する動作を省くことができる。それによって消費電力の低減を図る。

 今回開発したSOG-DRAMはこのような用途を想定した画像フレーム・メモリー専用となっている([拡大表示])。メモリー部は,プロセッサ側からの表示データ書き込みポートとディスプレイ側への表示データ読み出しポートを備えたデュアルポート構成を採る。画素サイズは,携帯電話に使う映像フォーマット「QCIF(quarter common intermediate format,横176×縦144画素)」を縦型に拡張したQCIF+(横176×縦240画素)。

 デバイス構造は明らかにしていないが,「DRAM機能として電荷を蓄えるキャパシタ部分は絶縁体を電極ではさんだ簡単な構造を採る。液晶ディスプレイの製造プロセスと親和性がある2μm CMOS ポリシリコンTFT技術を採用している」(NEC SOG研究所 研究部長の浅田 秀樹氏)。

 SOG-DRAMは画素の色情報圧縮/伸長回路を備えており,1画素当たり18ビットの色情報(26万色に相当)を12ビットに圧縮してメモリーに蓄える。これは,消費電力低減のために表示データを一度に1ライン分読み出すことができるように,メモリー・アレイを横長一列に配置する必要があったため。しかも,この横長のメモリー・アレイ回路領域の実寸法を携帯電話機の横幅に納めるという制限があり,圧縮/伸長回路を導入して実現した。メモリー・アレイ用に集積したトランジスタ数は3分の2に削減でき51万個に抑えられた。

 色情報の圧縮/伸長アルゴリズムは独自の方式「SPC(smart pixel data codec)」。「伸長後,完全に元の色に復元できるわけではないが,色変化がなめらかに復元できることを重視したアルゴリズム」(浅田氏)という(写真2[拡大表示])。

 製品化に際しては,待ち受け画面のなかの時計表示といった変化する部分だけをプロセッサ側からのコマンドで書き換える機能などを盛り込む予定。製品化の時期は,NEC液晶テクノロジーがSOG専用量産ラインを立ち上げる2006年度以降になりそうだ。