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 省電力を特徴とした無線通信規格ZigBee。家電を遠隔制御するリモコンや,小型のセンサーからネットワーク経由で情報を収集し,ビルの設備制御や環境測定などに利用するといった適用分野が考えられている。2004年末に仕様が確定し,対応モジュールが各社から出始めている。

 ZigBeeの仕様は,業界団体のZigBee Allianceで策定されている。この団体の議長を務めるBob Heile氏に,ZigBeeの現状と今後について聞いた。

Q ZigBeeは,現在どのような分野で使われ始めているか。

A ホテルのような商業ビルで導入が始まっている。主に,照明などを制御するシステムに使われている。例えば宿泊客がチェックアウトしたら,その部屋の照明を消す。これによって,節電が図れる。また,会議が始まる少し前にその部屋の空調を稼働させ,快適な温度にしておくといった使い方もある。

 また来年あたりには,ゲームのコントローラやマウスなどでも使われるだろう。この分野にはBluetoothが利用されてきたが,頻繁に電池交換が発生しユーザーに負担をかける。ZigBeeは普通のボタン電池で,2年程度使える。

Q ZigBeeは,商業ビルだけでなく一般家庭でも使われるようになるのか。

A 一般家庭では,大きく三つのメリットが考えられる。便利,安全,そして省エネだ。

 まず便利さだが,照明や家電など家庭内のさまざまな機器がZigBeeによってつながり,それらを一元的に制御できるようになるだろう。照明を消し忘れて外出したら携帯電話に通知してくれ,出先から消すという利用法もある。

 安全さの例としては,煙の検知器が挙げられる。ZigBeeに対応した検知器は互いに通信し合えるので,効率よく危険を知らせることが可能だ。例えばアパートの上層階の検知器が煙を検知したとき,他の階の検知器へと情報を伝達する。加えて,検知器の電池切れを防げることも大きなメリットだ。検知器が自分の電池の残量を検出し,少なくなったら交換するよう人間に指示できる。

 最後の省エネだが,ホテルなどの例と同じように節電に使える。また電力会社が,電力制御のために利用することもできる。電力使用量が多いときには電気温水器などの電源を一時的に消す。こうすれば電力使用量のピークが抑えられ,必要以上の発電施設を作らずに済む。

Q 今後ZigBeeの仕様をバージョンアップするうえで,重要なテーマは何か。

 何より大切なのは,ZigBeeでやるべきこととそうでないことをきちんと切り分けることだ。あらゆることをZigBeeでカバーしようとすると,仕様は非常に複雑化する。市場で本当に役立つ仕様を,効率的に用意することに注力しなければならない。

 また新たな機能を追加するとしても,コアの部分の仕様にはあまり手を加えないつもりだ。アプリケーションによって必要な機能は異なる。それぞれのアプリケーションごとに,何が最適かを議論していくべきだろう。さらに,機能追加の際は何よりも旧版との互換性を維持することに注意を払うべきだ。そのためにも,コアの部分のアーキテクチャは常にシンプルである必要がある。

Q 日本では,ZigBeeにかかわる企業がZigBee SIG ジャパンを発足した。これとはどう連携していくか。

A 日本はZigBeeにとって非常に重要なマーケットだ。ただ,法規制が厳しいなど独自の事情を抱えている。日本の企業によってZigBeeの団体ができたことは,政府への働きかけがしやすいなどの面から非常に意味がある。ZigBee Allianceのリソースはすべて提供して支援するつもりだ。