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図3 回転寿司で使われているICタグ<BR>精算だけでなく,鮮度管理や単品管理にも使われている。写真は(1)を除きあきんどスシローの店舗。(1)は寿し源京急川崎店。
図3 回転寿司で使われているICタグ<BR>精算だけでなく,鮮度管理や単品管理にも使われている。写真は(1)を除きあきんどスシローの店舗。(1)は寿し源京急川崎店。
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数え間違えず一瞬で精算

 ではICタグは,愛知万博以外ではどんなところで使われているのだろうか。ICタグを開発・販売するオムロンRFID事業開発部の立石俊三さんに聞くと,「もっとも身近なのは,回転寿司ですね」と教えてくれた。

 ICタグを採用する回転寿司店では,すべての皿の底にパッシブ型のICタグを貼り付ける(図3[拡大表示])。ICタグのIDとお皿の色(鮨の値段)はあらかじめ対応付けておく。こうすることで,食べ終わったあとに,店員がICタグ・リーダーで皿のIDを読み取ると,瞬時に合計金額を計算できる(図3の(1))。

 ICタグを使わなくても,皿にバーコードを付ければ同じように精算できそう。しかし,実際に使われているのはICタグばかりだ。理由は二つある。

 一つは,一枚ずつ読み取らなくても確実に精算できること。システムによっても異なるが,ICタグを使うと皿を4~5枚ずつまとめて読み取れる。

 もう一つは,2重にカウントするのを防げること。もし,同じIDのICタグを2度読み取った場合,2度目は精算に含めないようにしている。すべての皿に異なるIDを付けられるICタグだからこそ,こうしたことも簡単に実現できるわけだ。

 「ネタによって値段が異なる回転寿司店では,合計金額を精算するのが大変です。ICタグはそういうところを中心に使われています」(立石さん)。

裏側で鮮度管理や単品管理も

 さらに最近では,回転寿司店の裏側でもICタグが利用されている。例えば回転寿司チェーンのあきんどスシローは,「すべて一皿105円なので,精算にはICタグを使っていません。でも,鮮度管理や単品管理にICタグを使っています」(社長室の岡雅史さん)。

 回転寿司のネタの鮮度は,レーン上で移動した距離に比例して悪くなる。そこで,回転レーンの下に隠れたICタグ・リーダーで皿ごとの移動距離を監視し,一定距離を超えるとレーンから自動的に取り除く(図3の(2))。

 さらにあきんどスシローはICタグを使って,どのネタがどれだけ回転して*,何枚が利用客に取られたかという情報も逐一収集する(同(3))。その情報を基に,店別,時間帯別に流すネタの量を変えている。このようにして,廃棄率を上げないことと,鮮度を維持しながら利用客の求めるネタを不足なく回すことを両立させている。「鮮度管理はほかでもやっていますが,単品管理までやっているのはうちだけです」(岡さん)という自慢のシステムだ。