PR
図4 駐輪場で自転車の出入りを管理<BR>管理人なしで自転車を24時間出し入れできるようにしながら,盗難を防ぐ。写真は,大阪府高規市のマルヨシサイクルプール。
図4 駐輪場で自転車の出入りを管理<BR>管理人なしで自転車を24時間出し入れできるようにしながら,盗難を防ぐ。写真は,大阪府高規市のマルヨシサイクルプール。
[画像のクリックで拡大表示]
図5 広場で遊ぶ園児の所在を監視&lt;BR&gt;名札にICタグを入れ,所在監視用のアンテナに電波が届かなくなると警報が出るようにしている。写真は,兵庫県のチャイルドハート加古川駅前保育サロン。
図5 広場で遊ぶ園児の所在を監視<BR>名札にICタグを入れ,所在監視用のアンテナに電波が届かなくなると警報が出るようにしている。写真は,兵庫県のチャイルドハート加古川駅前保育サロン。
[画像のクリックで拡大表示]
図6 児童の登下校を保護者にメールで通知&lt;BR&gt;児童のランドセルにアクティブ型のICタグを付け,登下校を認識して保護者にメールで連絡する。写真は東京都豊島区の立教小学校。
図6 児童の登下校を保護者にメールで通知<BR>児童のランドセルにアクティブ型のICタグを付け,登下校を認識して保護者にメールで連絡する。写真は東京都豊島区の立教小学校。
[画像のクリックで拡大表示]

無人管理でも自転車は盗まれない

 ICタグを盗難防止に役立てているところもある。大阪府高槻市の駐輪場「マルヨシサイクルプール」で実際に様子を見せてもらった。

 この駐輪場は月極(つきぎめ)専用。利用者は契約と引き換えに本人用と自転車用の二つのICタグを受け取る(図4[拡大表示])。自転車用のICタグは,自転車に取り付ける。

 自転車を持って駐輪場に入場するときは,本人用のICタグをICタグ・リーダーにかざすだけ。リーダーは中のIDを読み取り,利用者として登録してあるIDであればゲートが開く。

 退場のときはもう少し複雑だ。やはり利用者は,本人用のICタグをICタグ・リーダーにかざす。同時に別のICタグ・リーダーが自転車用のICタグを読み取る。本人用ICタグのIDと自転車用のICタグのIDは組み合わせて管理されており,同時に読み取る二つのタグが組だと確認されればゲートが開く。利用者と自転車が一致したときにしか出られないので,盗難を防げる。

 利用者にとっては,もう一つメリットがある。ゲートの開閉が完全に自動化されたことで,管理人がいない時間でも出し入れできるようになること*。「ランニング・コストが減らせるため,駐輪場の料金は従来のままで24時間自転車を出し入れできるようになります」(システムを開発したパーフェクトゲートの斉藤優幸社長)。

保育園児の所在を監視

 これまで見てきたのは,ICタグをモノの精算や出し入れに使う例。一方,ICタグは保育園や小学校で人の出入りを監視する目的でも使われ始めている。まずは兵庫県加古川市の保育園「チャイルドハート加古川駅前保育サロン」を訪ねた。

 この保育園は,駅近くの商業ビルの中にある。同じフロアに加古川市が設けた子供広場がある。園児をそこで遊ばせるときに,名札に入れたICタグで園児の所在を確認する(図5[拡大表示])。

 園児が付けるICタグは常に電波を出し続けるアクティブ型。子供広場の天井にアンテナを設置し,子供が広場から離れると警報が出るしくみだ。

 電波の受信感度は低めにしている。指向性の関係でアンテナの真下でも警報が出ることがあるというが,「広場の園児に目を向けるきっかけと考えています」(木田聖子社長)。ICタグ・システムを保育士の安全確認を補助するものとして位置付けているわけだ。

 保護者からの評価は良いという。「1日保育の園児には名札にICタグを付けていなかったのですが,保護者のみなさんが希望されるので,今では園児全員が付けています」(木田さん)。

 ICタグの電源を入れるのは,園児が子供広場で遊ぶときだけ。名札は保育中に着けるもので,それ以外は取り外している。このため,自宅や通園中にICタグが電波を発することはない。

小学生の登校状況をメール送信

 一方,東京都豊島区の立教小学校では,ランドセルにアクティブ型ICタグを付け,児童の登下校を把握する。登下校を把握することで,万が一のときの安全確保などに役に立てる。さらに,登下校のタイミングで保護者に通知メールを送るようにしている。保護者にとっても,通学途中でアクシデントがあったときに気づきやすくなる。

 ただ,児童の在校を確実に把握するのは難しい。ICタグからの電波を受信するためのアンテナを学校中に張り巡らせなくてはならないからだ。

 そこで立教小学校は,校門の近くにアンテナを複数設置し,通過する順番で登下校を認識する(図6[拡大表示])。アンテナを設置するのは,学校近くの通学路(ゾーンA)と校門(ゾーンB)の2カ所。ゾーンA,ゾーンBの順に通過したら登校と認識し,反対にゾーンB,ゾーンAの順で検出すれば下校と認識する。

 ICタグは,「登下校を確実に把握するために,あえて電源は切れないようにしました*」(コンピュータ室の石井輝義教諭)。児童は小学校の外でも常に電波を発しながら移動している。