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図1 テープはDVDメディアに比べてコストが高い、記録容量が多く自動化もしやすい
図1 テープはDVDメディアに比べてコストが高い、記録容量が多く自動化もしやすい
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●低価格の部類に属するテープドライブとテープ
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●テープドライブを使うまでの手順
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●テープからデータを復元してみる
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●スケジュールを組んでバックアップする
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●LAN上の他のパソコンに自動コピーする手も
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●過去のデータを復活させる機能もある
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 前回紹介したRAIDを使えば、ハードディスク(HDD)の故障から、大事なデータを守れる。しかし、ウイルス感染や人為ミスによるデータの消滅は防げない。このような事態からデータを守るためには、データを別のメディアに書き出す、バックアップ環境を構築しておく必要がある。

大容量バックアップはテープ

 バックアップに主に使われるのは、テープと光ディスク(主にDVD)だ(図1[拡大表示])。テープドライブはさまざまな規格があり、安いもので数万円、高いもので数百万円もする。DVDに比べてコストは高いが、大容量のデータが保存でき、バックアップ作業の自動化がしやすいというメリットがある。

 今回はテープドライブのなかで比較的低価格なDAT72製品で実際のバックアップ手順を紹介する(図2[拡大表示])。DAT72は、幅4mmのテープを使い、72GB(圧縮時)のデータを記録できる。バックアップ用テープ規格として、よく使われていたDDSの最上位規格である。

 テープドライブはSCSIインタフェースでパソコンと接続することが多い。このため、ドライブ以外に別途SCSIボードも必要になる。図3[拡大表示]の手順で装着して、SCSIボードとテープドライブのドライバーをきちんとインストールしよう。なお、SCSIのコネクターにはいくつか種類があるので、ボードとドライブをきちんと接続できるケーブルを選ぶようにする。

 Windows Server 2003が標準で備えている機能を使って、実際にテープドライブにバックアップをとる手順を図4~図7[拡大表示]にまとめた。スタートメニューからバックアップを選ぶと、ウィザードが起動する。ここで「詳細モード」にして、「バックアップ ユーティリティ」を起動する。「バックアップ」タブから、バックアップをとりたいドライブ、フォルダー、ファイルなどを選んでチェックをつける。バックアップ先はテープドライブなので「4mm DDS」を選ぶ(HDDを選んでHDDにバックアップすることも可能)。ここで「バックアップの開始」を選べば、テープにバックアップデータを記録できる。テープはフォーマットの必要はなく、購入してすぐに使える。

 データを復元する作業も「バックアップ ユーティリティ」から簡単に実行できる(図8、図9[拡大表示])。「メディアの復元と管理」タブを選んで、復元したいデータを選択する。復元したい場所(この場合は元の場所)を選んで、「復元の開始」を選べば、バックアップしたデータをテープから書き戻す作業が始まる。

自動バックアップも可能

 Windows Server 2003の標準機能を使って、定期的にバックアップを自動実行する設定も可能だ(図10~図15[拡大表示])。設定するには「バックアップ ユーティリティ」の「スケジュール ジョブ」タブを開いて、「ジョブの追加」ボタンを押して、ウィザードを起動する。データのみをバックアップする設定を選んで、定期的にバックアップをとりたいデータにチェックをつける。バックアップの種類では、バックアップをとるデータがテープ1本に収まるくらいなら、「通常」を選べばよい。

 ここで、「通常」とは選択したデータの完全なバックアップをとることを表している。これ以外には「差分」や「増分」も使われることがある。「差分」とは、「通常」バックアップ以降に変更されたデータをバックアップすること。「通常」に比べ、バックアップにかかる時間を減らし、テープの記録容量を節約できる。ただし、元に戻すには、まず「通常」バックアップを書き戻し、最新の「差分」バックアップを書き戻さねばならない。「増分」とは「通常」バックアップもしくは直前の「増分」バックアップ以降に変更されたデータのみをバックアップすること。「差分」よりもさらにバックアップ時間を減らせるが、書き戻すには「通常」の書き戻しと、すべての「増分」の書き戻しを実行する必要があり、時間がかかってしまう。

 「バックアップを作成する時刻」の設定画面では「スケジュールの設定」を押して、バックアップ間隔と開始時刻を設定する。バックアップはユーザーが作業をしていない深夜などに行うのが一般的だ。毎日バックアップする設定で、曜日ごとにテープを替えれば、最近一週間のバックアップを常に手元に残しておくといった運用ができる。

低コストで実行する手段もある

 テープドライブを使わずに低コストでバックアップを実行する手段もある。2つほど紹介しよう。

 1つはLAN上の他の共有サーバーなどに定期的に、データをコピーする方法だ(図16~図19[拡大表示])。まず、コピー先として使う共有サーバーを「ネットワーク ドライブ」として割り当てておく(この場合はyドライブ)。次にメモ帳を開いて、xcopy命令を記述し、図16のように記述して、「bkup.cmd」のように拡張子cmdで保存する。xcopyとはファイルやフォルダーをコピーするための命令。ここではeドライブのdataフォルダーを、yドライブのbackupフォルダーにコピーするように記述している。コマンドの末尾にある/s/e/yは、上書きするときに確認のメッセージを表示しないで、すべてのファイル/フォルダーをコピーするという意味。

 「タスク ウィザード」を使ってこのcmdファイルを定期的に実行させれば、LAN上の共有サーバーに、データのコピーを定期的に作ることができる。ただし、この方法は毎回、上書きをしてしまうので、直前のバックアップのデータしか残らない。

 もう1つは、Windows Server 2003の「ボリューム シャドウ コピー」という、共有フォルダーのバックアップ機能を使うこと(図20~図22[拡大表示])。この機能を使えば、定期的に指定したドライブのバックアップを自動的にとってくれる。「コンピュータの管理」画面で、「共有フォルダー」を右クリックし「シャドウ コピーの構成」を選ぶ。「シャドウ コピー」画面で設定したいドライブを選んで「有効」ボタンを押せばよい。デフォルトでは月曜から金曜までの午前7時と12時にバックアップが自動作成される。設定を変更することも可能だ。

 クライアントのパソコンから実際にバックアップデータを取り出すには、「マイ ネットワーク」などから対象となるドライブを右クリックしてプロパティを表示する。「以前のバージョン」タブから、戻したい日時のデータを選んで「コピー」を押せば、そのデータを別の場所に復元できる。

万一の停電に備えUPSを導入する

 停電などで、突然電気が切れてしまうと、HDDなどサーバー内のハードウエアが損傷してしまうこともありうる。突然の停電から大事なデータを守るために、UPS(無停電電源装置)も設置しよう。

 一般的なUPSでは、サーバーの電源ケーブルをUPSのコンセントに接続し、UPSの電源ケーブルを商用電源のコンセントに接続する。サーバーとUPS間は、USBケーブルやシリアルケーブルなどでも接続する。サーバーにはUPSからの情報を受け取るための専用ソフトをインストールしておく。

 UPSは商用電源からの電気をサーバーに供給しているが、停電が起きたら、瞬時に内蔵バッテリーからの給電に切り替える。そして、USBやシリアルケーブルを介して、サーバーに停電が発生したことを伝える。すると、サーバー内の専用ソフトが、メールを管理者に送って警告を伝える。ケーブルに足をひっかけてしまったなど、UPSが給電を続けられる時間内で復旧できる事故なら、サーバーを停止しなくても済む。内蔵バッテリーでの動作時間が長くなると、専用ソフトが稼働中のアプリケーションを停止し、サーバーのシャットダウン動作を実行し、安全にサーバーの電源を切る。バッテリーでの稼働時間は、UPSの内蔵バッテリーの容量やサーバーの消費電力によって変わるので、製品購入前にはUPSメーカーのWebページなどで確認しよう。

 UPSと専用ソフトを組み合わせれば、サーバーの定期的なシャットダウンや再起動もできるようになる。週末はサーバーの電源を切り、月曜の朝に電源を入れるといったことが自動化できるのだ。