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図6 WiMAX関連のスケジュール<br>「●」がIEEE802.16e(モバイルWiMAX),「●」が同16-2004(FWA版WiMAX)に関する項目。今後のポイントを*で示した。
図6 WiMAX関連のスケジュール<br>「●」がIEEE802.16e(モバイルWiMAX),「●」が同16-2004(FWA版WiMAX)に関する項目。今後のポイントを*で示した。
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実用化のハードルは電波割り当て

 75Mビット/秒は期待できなくても,モバイル環境でメガ・クラスの速度が使えるなら魅力のあるサービスになりそう。となると,WiMAXの実用化の時期が気になる。サービス開始はいつごろになるんですか?

 「Forumでは2005年中にモバイルWiMAXの規格を決めようとしているんですが,日本国内ではWiMAX用に電波が割り当てられていないので,はっきりとしたことは言えないんです」(渡辺さん)。WiMAXの規格では,2.5 GHz帯や3.5GHz帯,5.8GHz帯などを使う規定になっている。しかし,日本国内ではこれらの周波数帯域に空きがないのだ*

 電波は勝手に使えない。国内で電波行政を担当している総務省でWiMAX用に電波が割り当てられない限り,WiMAXは国内で使えないことになる。

 でも,確かYOZANは2005年12月にはWiMAXのサービスを始めると発表していたはず。どうやってサービスを提供するつもりなんだろう。YOZANの高取直(たかとりすなお)社長に,同社のWiMAXサービスについて聞いてみた。

 「YOZANでは2005年12月にFWA版のWiMAXサービスを月額3000円でスタートさせます*」(高取さん)。でも,国内ではWiMAX用の電波はないはず。どこの周波数を使うんですか?

 「共用で使える4.9GHz帯を使います。ほかの無線局が電波を出しているときに電波を出さないキャリアセンスのしくみを入れれば,WiMAXでも使えます」(高取さん)。

 これは総務省に確認しないといけないな。そこで,総務省総合通信基盤局電波部を訪ねて,WiMAX向けの電波割り当てについて聞くことにした。

とりあえず研究会の報告書待ち

 4.9GHz帯は,WiMAXで使ってもいい周波数帯域なんですか?

 「4.9GHz帯は無線アクセス・システム向けに登録制で利用できる帯域です。個々の事業者に固定的に周波数を割り当てる帯域ではありません。無線設備規則や無線設備の技術的条件を満たしていれば,制度上は他の利用者と共用で利用できます」(総合通信基盤局電波部電波政策課の中尾亨(なかおとおるさん))。

 つまり,WiMAXサービス用に個々の事業者が占有して使える帯域はないってことですか?

 「そうですね。総務省では,高速の無線通信技術の普及などについて検討するワイヤレスブロードバンド推進研究会を2004年11月から開催しています(図6[拡大表示])。WiMAXについてもここで議論されていて,電波の割り当てに関する内容が報告書に入るかもしれません」(同,小泉純子(こいずみじゅんこさん))。

 研究会の報告書は当初,2005年11月に出る予定だったが,遅れ気味だという。さらに,報告書が出てWiMAXに関する電波割り当ての話が動き出しても,そこから,制度が整い,新しく割り当てられた周波数帯域でモバイルWiMAXの商用サービスが始まるまでは,短く見ても半年以上はかかる*

 ADSLなどのブロードバンドが格安で使える日本国内では,WiMAXの魅力はモバイル用途になるだろう。ただし,標準化は終わっていないし,電波割り当ての問題もある。モバイルWiMAXが使えるようになるのはしばらく先になりそうだ。