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 米シュガーCRMが2004年春にソースを公開したCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)ソフトSugarCRM。2005年12月には有償版が追加され、国内でのビジネスが本格的に動き始めた。ユーザー数が1000を超える大規模案件への提案も始まっている。



 オープンソースの波は業務アプリケーションの世界でも他人事でなくなりつつある。米シュガーCRMが提供するSugar Suiteは、オープンソース業務アプリケーションの急先鋒だ。技術者やエンドユーザーが参画する開発コミュニティSugarForgeが開発したものをベースとしており、一般の商用CRM製品が持つ標準的な機能を十分にカバーするオープンソースCRMソフト群だ。

 無償版のSugarCRMのコア機能はSugarForgeのWebサイトからダウンロードできる。全世界で6万社以上が導入済みで、SugarCRMの日本語化パックは、これまでに2600回ダウンロードされたという。

有償版投入で動き出す日本市場

 米シュガーCRMは当初、製品は無償で提供し、サポートで収入を得るという「完全オープンソース路線」を採っていた。だが2004年7月には軌道修正し、部門や役職などの組織階層の管理や見積もり作成などを追加した有償製品の投入に踏み切った。

 米シュガーCRMにいち早くアプローチしたのはケアブレインズ(千葉市、松下博宣社長)。2005年6月にはリセラー契約を結び、SugarCRMの日本語化に着手。8月には、契約の対象を有償版2製品を含む全製品に広げた。現在同社が注力するのは、大規模ユーザー向けの提案活動だ。

 同社の内田隆平取締役チーフ・テクノロジー・オフィサーは、Sugar Suiteの威力をこう語る。「製薬、人材派遣、医療機器など、大規模な営業部門を抱える企業が強い興味を示している。以前からCRMの導入を検討していたが、高額なライセンス料金や、操作性への不満などで踏み切れなかったというユーザーが動き出した」。

 有償版の価格は、大規模向けのSugar Enterpriseでもアップデートや保守を含めて1ユーザー当たり年間6万円。一般の商用製品に比べてかなり有利な価格提案ができる。ユーザーの反応について内田取締役は「有償化への不満よりサポート体制の充実への期待感の方がはるかに強い」と語る。実は米シュガーCRMは2006年後半の日本市場投入を予定していたが、日本側からの強い要求により大幅に前倒しで投入したという。