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表1 研究開発で気になる会社(国内)
表1 研究開発で気になる会社(国内)
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表2 研究開発で気になる会社(海外)
表2 研究開発で気になる会社(海外)
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 まずは表1を見て欲しい。これは,「研究開発で急速に力を伸ばしていると感じる企業はどこですか」という質問に対する答えである。毎年,年末に「Tech-On!」を利用して電子系のエンジニアの読者を対象に調査を実施している。表中,2006年版のデータは2005年末に調査した結果である。

 この表から,エンジニアにとって研究開発で気になる会社の変遷が読み取れる。

 2004年にトップに立ったキヤノンは,2006年も1位の座を維持している。業績が好調で研究開発費も潤沢であることが背景にあるが,研究開発に対するスタンスが違う。同社の方針は「他社がやっていることはやらない」。エンジニアがキヤノンを気にする理由である。2005年に一気に2位に入ったトヨタ自動車が2006年も2位になった。電子技術者にとって,クルマがますます大きな存在になっている。テレビで熾烈な争いを演じている松下電器産業とシャープはトップ5の常連となった。2006年は村田製作所がランク入り,電子部品メーカーとしての研究開発力が評価されている。逆に,2003年にトップだったソニーはランク外になった。

 2006年のトップ5を見ると,現在の業績の好調さに加え,次代の宝の山を持っていることが特徴である。しかも,その宝の山をきちんと事業に結び付けようとしている。キヤノンはプリンタの次としてSEDテレビを,シャープは液晶の次として太陽電池を伸ばそうとしている。事業方針と研究開発が結びついている企業は,気になる会社の上位でもある。

 海外企業についても,同様の調査を実施している(表2)。2003年と2006年のデータを見ると,3年前から韓国Samsung Electronicsが1位を維持している。しかし2位,3位の顔ぶれは大きく変わった。2003年の2位は米IBM,3位は米Intelだったが,2006年は2位に米Google,3位に米Apple Computerとなった。2003年時点では,GoogleやAppleはランク外だった。わずか3年でこれだけ変わる海外はダイナミックである。

 研究開発の成果として,2006年は大きな果実が実るだろう。これから登場する成果として予想できるものを挙げてみる。

2006年 注目技術,10のキーワード

  • Cell筆頭に相次ぐマルチコア・プロセサ,普及に向ける
  • 照明の考え方を根底から覆す白色LEDの高効率化と低コスト化
  • 実証実験から実用化へ挑む電子ペーパー
  • 太陽電池の普及を支える新技術,新材料,新構造
  • 実用化へ突き進むソフトウエア無線
  • ソフトウエア開発の新潮流,形式手法(フォーマル・メソッド)を使いこなす
  • 早くも応用開発を意識,有機エレクトロニクスで試作相次ぐ
  • DRM(デジタル著作権管理)の行方,コピー・ワンスはどうなる
  • 腕時計型センサ,視力回復デバイス,いたるところにヘルス・エレクトロニクス
  • Liイオン2次電池がハイブリッド車の主電源に

 いずれも電子業界をゆるがす大きな技術イノベーションである。このイノベーションが新しい機器,新しいライフスタイルを創出することに期待したい。