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 2005年のデジタル系ヒット商品といえば、アップルコンピュータのiPodシリーズだろう。携帯音楽プレーヤーは製品数だけで100を超えますが、結局、iPodシリーズの一人勝ち。常に他社を引き離す価格戦略と、ソフトとハードを含めた使い勝手の良さが受けたわけです。

 iPodのヒットの理由はこれだけではありません。写真のビューワーとしても使えるうえに、最新のiPodは動画ビューワーとしても使えるようになりました。つまり、コンシューマーがちょっと欲しいと思っていた機能を一つの製品にうまくまとめた製品でもあるのです。写真のビューワーも、動画ビューワーもそれぞれ専用の製品がありますが、売れ筋はハイエンド製品でプロかハイアマチュアが購入するもの。コンシューマーが購入するには、少々高価なものでした。iPodは音楽を聞くだけでなく、映像も手ごろな価格で楽しめるわけで、この辺でもライバルに差を付けたわけです。

 2005年はiPodのように、ユーザーが欲しいと思う機能をうまく融合させたヒット商品が目立ちました。例えば、セイコーエプソンのdreamioとソニー・コンピュータエンタテインメントのプレイステーション・ポータブル(PSP)が挙げられます。dreamioはプロジェクターとDVDプレーヤー、スピーカーを合体させたもので、設定がほとんど必要ないのが最大の売り物。ホームシアター向けのプロジェクターはハイビジョン対応の25万円前後の製品が主流ですが、別途DVDプレーヤーとスピーカーの設置が必要で、そもそもDVDを表示するには解像度が高すぎてオーバースペック。一方で15万円前後と手ごろな価格のdreamioがDVDしか見ないコンシューマーに受け入れられたわけです。

 PSPは携帯ゲーム機ですが、動画ビューワー機能が強力で、パソコンやDVDレコーダーで録画したテレビ番組を視聴できます。iPodも動画を表示できますが、PSPは4.3型ワイドの大型液晶を搭載して、動画を見るという機能については、iPodよりも強力です。英会話の教材など、有料の動画コンテンツもネット上に用意されており、動画コンテンツのプラットフォームとしても注目を集めています。

地デジと次世代DVDの普及次第でガラリと変わる

 2005年にヒットした商品は映像関連のスキマ商品と言えなくもありません。こういった商品が登場するのは、映像を扱うことについて、コンシューマーもメーカーもインフラが整ってきたからと言えます。ハード面では携帯機器で動画を扱えるようになり、ソフト面ではネットワークを使った映像配信もコンシューマーレベルで使えるようになってきたわけです。

 2006年はこういったインフラの上に、次世代のDVD、Blu-rayとHD DVDが登場し、地上デジタル放送が普及することで、一挙にテレビ、レコーダー、パソコンの世界が変わっていくと予想されます。2005年は助走の年で、2006年は飛躍の年となるはずです。

 例えば、DVDレコーダーは地上デジタル放送などのデジタル放送を録画できる製品が増えています。これらの製品はハイビジョン放送をハードディスクにハイビジョンの解像度のまま録画できますが、DVDメディアに録画データを移すときは解像度を落とさなければなりません。次世代DVDがないためです。次世代DVDが登場すればこういった中途半端なことはなくなり、DVDレコーダーが世代交代することになるでしょう。

 当然、パソコンの世界でも、2005年後半から増えたデジタルチューナー搭載パソコンに次世代DVDを搭載するようになります。液晶テレビ、ハイビジョンレコーダー、パソコンの三位一体の複合製品としてコンシューマーにアピールしていくことになります。もちろん、こういった商品をどれだけ安く作れるか、そしてどれだけ使いやすいソフトを提供できるかがメーカーの腕の見せどころとなります。また、こういった大きな流れを、iPodやPSPのような携帯機器がどう受けていくか、ぜひとも注目したいところです。