有線LANは物理的に取り回せるケーブルを使ってネットワークを作りますが,無線LANでは目に見えない電波を使ってネットワークを作らなければなりません。電波は建物を透過してしまいますので,思いがけない所から安易に接続できることが起こったりします。ですから,無線LANシステムの構築にあたっては,電波が外に漏れることを前提にして設計する必要があります。
これまで無線LANと言えばデータ通信が主流でした。ただし,今後は電話用途,つまり無線VoIPシステムが注目されるようになりそうです。無線LANを活用したVoIPシステムは通信費やメンテナンス費用の削減効果が規定できるため,多くの企業が導入しています。構内における無線電話システムとしては,PHSが広く利用されてきましたが,構内PHSはIPネットワークと統合できません。そこで,IPベースの無線LAN対応VoIP端末を活用した構内無線電話の導入が具体化してきたわけです。NTTドコモが無線LAN対応のFOMA N900iLをリリースしたことも,こうした動きの追い風になっています。
今回,ディアイティはセキュア無線VoIPシステム展示します。高い品質の音声を安全な無線でやりとりするシステムを安価に提供します。
無線LANは,Meru Networks社のコントローラとアクセス・ポイントで構成します。Meru Networks社の製品はバーチャルセル技術を用いることで,アクセス・ポイント間を移動する際に発生するローミング処理をなくしました。また,Air Traffic Control技術でコンテンション管理を行うことでコリジョンが発生しないようコントローラで通信を制御します。これにより,高い通話品質を損なうことなく端末数を増やしていくことが可能になります。
無線LANを使用するに当たって,セキュリティは最も重要な要件の一つになります。無線LAN対応のVoIP端末の多くは802.1X認証に対応しております。そこで,EXERS社のEXERS AS for SMB(802.1X認証サーバー)を用いることで高セキュアな無線VoIPシステムを構築するようにしました。認証サーバは無線LANシステムの認証を一手に引き受ける装置なので,可用性の高さが認証サーバを選ぶときのポイントになります。EXERS AS for SMBは2種類の2重化機能を提供します。1台で使用した場合のPort HA機能と,2台で使用した場合のDual HA機能です。
Port HA機能は二つのインタフェースを用いて同じIP Addressで応答します。一方のインタフェースが壊れてももう片方のインタフェースが処理を引き継ぎます。Dual HA機能では,仮想IP Addressを使用して2台のEXERS AS for SMBを1台の認証サーバとして動作させます。これにより,1台が故障しても残りの1台が認証機能を提供するので,処理が滞ることはありません。
システムは,Meru Networks社無線LANシステム,EXERS社認証サーバー,インテック・ウェブ・アンド・ゲノム・インフォマティクス社製SIPサーバー,NTT DoCoMo N900iLを3台セットを基本構成としています。今まで,「無線VoIPシステムの興味があるけど価格が高い」,「利便性は向上するけどセキュリティが不安」,「無線VoIPシステムは難しい」と考えていたユーザが安心して利用できる低価格のパッケージです。サポートはすべてディアイティが担当します。