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写真1 丸紅の木村知子氏
 2006年は、商品管理用途で無線ICタグが広く使われる年となる。特に、UHF帯の電波を使う新型ICタグが市場に浸透する。UHF帯は通信できる範囲が5m程度と長く、ベルトコンベヤやPOS(販売時点情報管理)レジスタなどが使われる物流の現場に都合がよい。

 こうしたUHF帯ICタグへの関心の高さを反映し、2006年2月2日に開催された「NET&COM 2006」のトレンドセッション「UHF帯無線ICタグ──本格導入の第2ステージへ」(主催:日経RFIDテクノロジ)には、多くのビジネスマンが訪れた。

 UHF帯ICタグ製品を扱う丸紅は今回のセッションで、シャツの製造小売業を手がける東京シャツの店舗で行っている実証実験に関する講演を行い、バーコードと比較したICタグの利点を示した。本稿では同セッションにおける講演内容を基に、UHF帯ICタグの実用化を目指す丸紅と東京シャツの取り組みを3回にわたって紹介する。

工程が多いほどICタグが生きる

 「アパレル業界はICタグの導入に適している」──。このようにICタグの必然性を説くのは、丸紅 繊維部門IT推進チームのチーム長である木村知子氏だ(写真1)。同氏はユーザーとしての立場からICタグの活用方法を模索し続けるアイディアパーソンである。講演で木村氏は開口一番、アパレル業界にかかわるプレイヤの多さを指摘した。

 アパレル業界の商流の流れは複雑だ。「素材を扱う業者には、原料を扱う業者もあれば生地を扱う業者もいる。生地ができた後に縫製の工程があり、商品が流通する際には卸業者がいる。多くの商流が発生し、多くの伝票が飛び交う」(木村氏)。事務効率化の需要が高いのである。

 「ICタグの導入効果が高い」──。商機を見いだした丸紅は、アパレル業界への導入を目指して動いた。パートナは、年商60億円弱の東京シャツ。UHF帯ICタグを商品管理に用いるための実証実験を、東京シャツの八重洲店で行っている。実験期間は2006年2月1日から6カ月。

 「アパレルの中でもシャツは特別である。一見すると見分けが付かないが、色や柄、サイズが異なり、素材もさまざま。目視では確認できる限界がある。そのため、この分野に打って出る」(木村氏)ことにした(次回は3月7日の本欄で掲載)。