記者のつぶやき
目次
-
2009年もクラウドの年になる?
2008年に注目を集めたキーワードとして真っ先にイメージするのが「クラウド・コンピューティング」である。ITproでも,Webサイトのニュースや解説といった記事でクラウド・コンピューティングに関する話題を数多く取り上げてきた。2008年はクラウド・コンピューティングがブレイクした年と言ってもいいだ…
-
「トラック」に笑い,「トラック」に泣くビッグスリー
かつて持っていた強みが環境の変化で弱みに転化するというのはよくある話だが,米自動車ビッグスリーにとってはそれは「トラック」だったようだ。彼らは,かつてはトラックに笑い,そして今,トラックに泣いている。
-
大盛況のエコプロ展に思う,難航する「家庭の省エネ」
会場を埋め尽くす人,人・・・大盛況である。2008年12月11日~13日に東京ビッグサイトで開催されたエコプロダクツ2008には過去最多の17万5000人が押し寄せ,業績低迷や人員整理など世間を襲う不況の嵐もここではどこへやらである。だが肝心の環境対策と言えば,家庭・消費者部門が一番の劣等生だ。
-
製品&サービス・データベースへの質問にお答えします
ITproでは10月より,IT関連製品やサービスを検索したり,競合製品の比較表を作成できるサイト「製品&サービス・データベース」を公開しています。10月には「通信サービス」分野を,11月には「サーバー/ストレージ」分野のサービスや製品が利用できるようになりました。今後も,月に1分野のペースでジャン…
-
米Amazon.comの新サービス「欧州EC2」を測る
仮想マシン・ホスティング・サービス「Amazon EC2」が欧州データセンターでの運用を始めた。米国センター3サイトと欧州センター2サイト,計5サイトの体制となったことで,大西洋をまたいだ冗長化が可能になった。欧州EC2の実力はどの程度か。仮想マシン利用の手順の違いと,米国EC2と欧州EC2の間,…
-
SaaSやクラウドに続く2009年のキーワードは?
今から3年ほど前,ネットスイートが日本法人設立の記者発表会を開催した。同社のCEOであるネルソン氏はそのとき,SaaSというコンセプトがいかに優れているか,独SAPなどの“パッケージ”がいかに時代遅れであるかを力説していた。記者は,SaaSという言葉をそのとき初めて聞いたこともあって,「ASPと何…
-
エンジニアの卵たちへ--エンジニア出身の米実業家の言葉
タイミングと信念。2008年12月2日に東京工業大学で行われた特別講演会「エンジニアの未来を語ろう」で,米NVIDIAの共同創設者,社長兼CEO(最高経営責任者)であるジェン・スン・フアン(Jen-Hsun Huang)氏は,会場に集まった学生たちに向けて幾度となくこの2つの言葉を口にした。
-
若きSEは“使えないノートPC”を丹念に磨く
「最新のノートPC(パソコン)を買ったのですが平日には持ち歩けません。今日は久々に充電して持ってきました」。土曜日に開かれた会合に姿を見せた30代のSEはこう言ってPC用ケースから黒一色の愛機を取り出して机の上にそっと置き、黒光りしているノート機をさらに布で磨き始めた。
-
エンタープライズを支えるボランティア精神
ボランティア精神と高い目標の達成に向けた意欲を持つメンバーが企業や組織の壁を越えて集まり,共同で活動する。こうした組織体あるいはコミュニティがIT業界には多数存在する。「エンタープライズ」の分野でもコミュニティ活動が盛んだ。筆者は最近,このようなエンタープライズ分野のコミュニティと連続して仕事をす…
-
「目的」なき生物に学ぶ
先週,ある地方で,ものづくり系中小企業の経営者何人かとお話しする機会があった。「9月以降,受注が急減した」と口を揃える。とりわけ,特定の限られた顧客に依存している中小企業が苦境に陥っているようだ。背景には,例えば,ある大手自動車メーカーとその系列の1次部品メーカーが,資本関係があったり,取り引き関…
-
データセンターを選ぶには,ゴミ捨て場のチェックも忘れずに
データセンターの利用がここにきて増えている。複数のデータセンター事業者(IDC)は「特に都心型のデータセンターは盛況。空きスペースが足らないので,貸せませんとお断りする場合もある」と強気の姿勢を示す。データセンターに設置したサーバーの監視機器を販売するメーカーも「データセンター需要が旺盛で,機器販…
-
ヒトもカネもなくともシステム内製はできる
「ヒトもカネもない中小企業でも,やればできる」---菅雄一氏は関西にある従業員約200人の企業のたった一人のシステム担当である。菅氏はほぼ独力でサーバーを立て,社内向けのグループウエアや顧客向け販売システムを構築してきた。ソフトはすべてオープンソースなので費用はハードと回線料を除けば菅氏の人件費だ…
-
64ビットVistaに対する日米のすごい温度差
米国では64ビット版Windows Vistaを搭載したパソコンが主流になってきたという。そんなニュースをいくつか読んで,64ビット・パソコンに興味がわいてきた。早速,日米のWeb販売サイトにアクセスしてみたのだが,64ビットVistaへの関心が日米でこれほど違うものかと驚いた。
-
事業継続の意味を問いかける新型インフルエンザ
ここにきて,新型インフルエンザに関する報道が急速に増えていることにお気づきの読者も多いだろう。大流行(パンデミック)を題材にしたテレビ・ドラマや映画の企画も続々と持ち上がっている。
-
いよいよ「嵐」接近,IT企業36社の中間期決算
今年も中間決算シーズンが終わった。国内IT企業36社の半数以上が増収増益という状況は必ずしも悪くない。しかし各社の発表内容や記者会見でのコメントから,IT投資の冷え込みという「嵐」が今度こそ迫っているという実感がわいてくるのだ。
-
モバイル業界で話題の「野鴨のすすめ」
最近,モバイル業界の間では,「ジーランドの野鴨」の寓話が話題になっているらしい。「ある湖に毎年飛来する鴨に,老人が餌を与え始めた。鴨は餌を得られることに味をしめ,他の湖に飛ばなくなる。こうして家畜化した鴨は羽ばたいても飛べなくなる。やがて老人は亡くなり,餌がもらえなくなった鴨は,春の雪解け水で流さ…
-
失敗・提案・創造~ソリューションビジネス成功の法則
数多くの失敗の中から何かをつかみ取って提案に結びつける。自分だけの何かを創造することができていれば、顧客の心が動き、ソリューションビジネスの成功につながる。
-
仕事中毒ではない記者は解雇すべし
記者の仕事が心底好きで寝食を忘れて働ける人だけがいればよい。仕事に没頭できない記者は首にすべし。「仕事と生活のバランス」をとりたい人にはもっと暇な職業を勧めよ。残った仕事中毒の記者に高性能パソコンを買い与え、家でも仕事をさせよ。
-
ミトコンドリアは利己的なのか利他的なのか
人間とは,その「祖先」である細菌の時代から,利己的な部分と利他的な部分を持っており,その「葛藤」の歴史がすなわち「進化」ということなのだろうか---。生物学者で科学ライターでもあるニック・レーンが書いた『ミトコンドリアが進化を決めた』(みすず書房)という本を,そんなことを考えながら読んだ。
-
ITエンジニアが大学院大学に通う意味
以前「記者の眼」の欄で,国立情報学研究所のトップエスイープロジェクトを紹介した。これは,学生ではなくITエンジニアを対象に最先端のツールや技術を教える教育プログラムである。トップエスイープロジェクトと同じように,ITエンジニアを対象にITの授業を提供する教育プログラムは,実はほかにもある。今回はそ…