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 何度このような光景を見ただろうか。欧州連合(EU)の独禁法担当委員は3月第3週に,「米Microsoftは,2004年に申し渡された制裁措置に従うことに抵抗を続けている」と発言した。もう1つ見たような光景がある。EUはMicrosoftに対し,またも「制裁措置の不履行を続けていたら,高額の罰金を日割りで科す」と警告した。

 EUの欧州委員会(EC)は3月10日に,「制裁措置への対応は依然として不十分」という内容の公式書簡をMicrosoftに送った。Microsoftは「制裁措置の要求を上回る対応をした」と激しく反論する一方で,Microsoftの技術文書に対するECの批判に対しては控えめな態度をとった。

 ECはMicrosoftに対して,サーバー製品に関する技術文書を提出するとともに,競合他社に同技術文書のライセンス契約の選択権を与えるよう求めていた。しかしMicrosoftの技術文書を受け取ったECの技術担当者は,「Microsoftの出した技術文書が役に立たない」と述べていた。

 技術文書の問題で短気を起こしたMicrosoftは3月第2週に,ECに対する公式な非難声明を出した。ところがECは技術担当者を支持し,同じ週に「最近Microsoftが提出した技術文書でさえ,いまだに不十分かつ不正確で,使いものにならない」と指摘した。問題点を証明するため,ECは知的財産の評価とリバース・エンジニアリングを手がける米TAEUSに検討を任せた。検討の結果,TAEUSは「ページ数を最大限に増やすことが主目的で,有用な情報は最小限に留まっている」との報告を行った。報告書には「内容は不十分で,自己矛盾している」とあった。

 細かい点を除くと,状況は当然ほとんど変わっていない。Microsoftは今も公式にはEUの制裁措置に対応できていない。制裁措置に未対応であることも否定し続け,1日につき200万ドル以上の罰金を2005年12月15日までさかのぼって支払う可能性も残っている。堂々巡りが続いている。