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 有馬智則は、営業職になって今年で4年め。メインの仕事は、S&Iの出資企業の1社である日本IBMのサーバー「xSeries」などを金融ユーザーに売り込むことである。以前はプログラマだったが「外に出て顧客と接したい」とS&Iに転職した。

 営業職としての初仕事は、大手製造ユーザーで約50台のサーバーをリプレースする案件。「今考えれば、提案内容は難しいものではなかった」。だが当時の有馬にとっては、毎日が闘いだった。顧客は「この構成だといくら?」「ここを変えたら?」と、次々に見積もりを要求する。早く回答を出そうとあせるが、「どこをどう探せばよいのかも分からなかった」。会社からもらった日本IBMのカタログ「xSeries SystemGuideBook」は、じきボロボロに。「睡眠2~3時間の日が続いた」。

 今は、日本IBMと他のIBMパートナーとの3社協業体制で、金融ユーザー向けの提案活動を進めている。求められるのは、前面に出てバリバリやる営業スタイルではなく、顧客とパートナーとのバランスを常に意識しつつ、判断を下し実行していく“アライアンス型営業”である。有馬は「常に自社のポジションを考えて行動し、その行動をきちんと説明できるように準備しておく」という。

 そんな有馬の大きな武器は電子メール。顧客への提案や、パートナーや社内メンバーとの打ち合わせの内容などをすぐ文書化して関係者全員にメールする。電話で話したことも、重要な内容であれば、同じようにメールする。S&I社内でも「会議の後、席に戻ってしばらくすると議事録が送られてくる」と評判だ。顧客やパートナー企業でも有馬のメールを「アテにしている」という声は少なくない。

 当の本人は「思い出すことに労力をかけたくないだけ」とあっさりしたもの。だが、毎日これだけのドキュメンテーションをこなすタフさは、転職直後の闘いの日々で鍛えられたものに違いない。

=文中敬称略

有馬 智則(ありま とものり)氏
エス・アンド・アイ
サーバーソリューション事業部 営業グループ
1975年3月生まれ。政治経済学部経営学科を卒業後、独立系のソフト開発会社でプログラマに。100人規模の巨大プロジェクトで電話交換機向けソフトの開発に携わる。2002年7月、エス・アンド・アイ(S&I、東京都中央区、松本充司社長、出資会社はネットマークス、日本IBM、住友電気工業)に転職して営業職になり、製造業と中堅・中小企業を担当。その後、担当業種は流通業を経て金融業に。周囲の評では「とにかく誠実でまっすぐ」というキャラクターで、後輩からも慕われている。週末はトレーニングジムで身体を動かし、日々のストレスを発散。また年に1度は海外のビーチでリフレッシュも。