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(c)ヒューストン市
(c)ヒューストン市

 米国テキサス州ヒューストン市は、地元NPOの力を借りて(あるいは、場合によってはNPO主導で)地域情報化を進めている自治体だ。今回は同市における2つの取り組みについて、在米ジャーナリストの石川幸憲氏よるレポートをお届けする。

 ヒューストン市では、貧困層のデジタルデバイド解消の取り組みとして、「SimHouston(シムヒューストン)」と名づけられた、サービスを展開している。マイクロソフトの「Word」互換のワープロソフト、「Excel」互換の表計算ソフト、メール、スケジューラーなどの機能を備える。市の図書館カードを持つ市民であれば誰でも、どこからでも利用できる。デジタルデバイド対策として、図書館に用意された端末だけでなく、現在では、地元NPO(複数)が運営する200ヶ所以上のCTC(コミュニティー・テクノロジー・センター)にもパソコンが配備され、シムヒューストン利用の窓口になっている。

 昨年8月29日にニューオリンズ市(ルイジアナ州)を中心に米国南部を直撃したハリケーン「カトリーナ」を鮮明に記憶されている読者は、数多いのではないか。560キロ離れた隣州テキサスの最大都市ヒューストンでは、アストロドーム(屋内競技場を避難した人たちの緊急収容施設として提供した。地元NPOは避難民の第一陣が到着した翌日、アストロドームや隣接する体育館に210台のパソコンを持ち込み、「テクノロジー・センター」を仮設した。

地域情報化の様々な場面で地元NPOが活躍(ヒューストン市)
  • 公共パソコンをマイパソコンに——SimHoustonによるデジタルデバイドへの取り組み
  • 超大型ハリケーンによる避難民を受け入れ——安否確認などでNPOが活躍

石川幸憲氏の写真石川幸憲(いしかわ・ゆきのり)

ジャーナリスト。1950年生まれ。上智大学卒業後、渡米。南イリノイ大学博士課程修了(哲学)。ペンシルバニア大学博士課程(政治学)前期修了。AP通信記者、TIME誌特派員、日経国際ニュースセンター・ニューヨーク支所長、日本経団連のシンクタンク21世紀政策研究所研究主幹を歴任。現在は在米ジャーナリスト。訳書に『インターネットは民主主義の敵か』(毎日新聞社)がある。