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 数あるビジネスアプリケーションのなかでも「Excel」はちょっと異質なソフトだ。いわゆる“Excelマニア”と呼ばれる人々が数多く存在する。何しろExcelの特集をバンバン掲載する雑誌がいくつもある。世界中でもそんな国は日本だけだ。

Excelで分数を入力できますか?

 言うまでもなく,Excelはもはやビジネスには欠かせないソフトだ。ほとんどのビジネスパーソンは何らかの形で日常的にExcelに接しており,基本的な操作ぐらいは分かっていることだろう。ところがExcelは,「普段は使わないが,いざというときにやり方が分からないと全く手に負えない」テクニックが数多く存在する,非常に奥が深いソフトなのである。

 例えば,Excelで「2/3」のように分数を入力するにはどうしたらよいだろうか。具体的なやり方は,ITproの総合テーマの1つである「SMB」で以前掲載した「Excelで分数は入力できない?」で紹介したのでここでは割愛するが,きっと大半の読者の方はご存知でないだろう(筆者も知りませんでした!)。

 もう一つ例を挙げてみよう。数年前,某社で役員全員が提出することになったExcelのシートで,長い文章を入力しなければならないセルがあった。そのとき,多くの役員が「セルの中で改行を入れるにはどうしたらいいのだろう」と困ってしまったという。このやり方は「セル内に改行を入れて“文章”を入力する」で紹介したように,改行位置で「Alt」キーを押しながら「Enter」キーを押せばよい。

「エラー処理」と「入力支援」で“他人に優しい”シート作り

 ここで誤解を避けるために言っておくと,これらのテクニックを駆使するExcel好きの人達は,決して単なる“オタク”ではない。自分だけのためのシートを作るのではなく,“他人に優しい”シートを作ることができるからだ。

 具体的なポイントは「エラー処理」と「入力支援」である。

 何か業務で使うシートを作ったときに,初めてそのシートを渡された人が入力ミスをしないためのエラー処理をシートに組み込んでおく。例えば,入力値が決められた範囲を超えたときにエラーメッセージを出したり,データ入力用のセル以外の部分を書き換えられないように特定のセルを「保護」する,といった具合だ。

 さらに利用者がより楽にデータを入力できるような入力支援の仕組みをシートに組み込んでおく。例えば「文字を入力するセル」では,自動的にかな漢字変換がオンになり,「数字を入力するセル」ではかな漢字変換がオフになるように設定しておく。請求書を発行する際に,発行日を基に「15日締めの翌月25日払い」などの支払日が自動的に入力されるようにし,さらに翌月25日が土日の場合は翌営業日に自動で変更されるといった具合だ。

 だから彼らの作ったシートは部署で共有する際に重宝される。そんなシートを“スマートな”やり方で作ることができ,それが部内のスタッフなどから評価されたときに,Excel好きの人々は,詰め将棋を解いたときのような快感に浸ることができる。

 もちろんExcelはあくまでも仕事のツールであり,本業がおろそかになっては本末転倒である。それでも,Excelをしっかりマスターすることで,仕事の生産性が大きく向上することは間違いないだろう。

 ここで紹介したテクニックはほんの一例だが,ITproでは,そんな便利なテクニックを「3分でわかる!仕事に役立つExcelテクニック」という連載で紹介している。週2本のペースで更新しているので,ぜひご活用いただきたい。