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 「複雑な技術にこそブランディングが必要だ」。

 4月25日にパソコン技術の新ブランド「vPro」を発表(関連記事)したインテル日本法人の吉田和正社長は,こう力説する。ブランディングとは,消費者が意思決定しやすくなるように,製品やサービスの知識やイメージを簡潔な言葉で表現し,消費者に訴える活動のことである。

 vProは管理機能など企業向けデスクトップ・パソコン向け基盤技術(プラットフォーム)に名付けたもの。インテルは1月にホーム・エンターテインメント向けパソコンのプラットフォーム・ブランド「Viiv」を発表している(関連記事)。インテルはvProを,これと同列に並ぶブランドとして位置づけている。今後インテルのプラットフォームを採用したパソコンには,vProやViivのロゴが付与されることになる。

 これらのブランドを展開する理由や狙いについては吉田社長のインタビュー記事を参照していただきたいが,要約すると次のようなものである。

 『個々の技術が細分化し高度化することで,一般消費者はその技術のメリットが見えにくくなる。そこで技術群をプラットフォームという単位でまとめ,それにブランドを付与することで,技術の用途やメリットを分かりやすく訴求する』

 ViivやvProといったブランドが今後,消費者にどの程度浸透するかはまだ見えない。しかし,少なくとも「技術を分かりやすく表現することが消費者のメリットにつながる」という根底の考え方には,共感できる部分が大きい。

 「名前がすべて」などと言うつもりはないが,名前をうまく使って,特徴やメリットを第三者が認識しやすくすることは,吉田社長が言うように,複雑化する技術にこそ求められると思う。

ITエンジニアにブランディング

 技術ではないが,高度で専門的な能力を持ったITエンジニアに「ITアーキテクト」や「アナリスト」といった職種名を付ける企業が増えている。これも広い意味ではブランディングの一つと言える。複雑化・専門分化するIT分野の職能に名称を与えることで,第三者にエンジニアのスキルを説明しやすくしているわけだ。

 経済産業省が策定した「ITスキル標準(ITSS)」では,ITアーキテクトやコンサルタントといった職種を定め,それぞれに要求されるスキルを記述している。これは「国によるIT人材のブランディング」とも言える。

 こうした試みは,保持するスキルが厳密に問われることなく職種名だけが“一人歩き”する,いわば「見かけ倒し」を招く危険と隣り合わせだ。

 ただ,その一方で,いくら実力を持っていても,うまく相手に伝わらなければ意味がない。この点で,重要な取り組みだと思っている。