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 ここ2週間ほどで,パソコン・メーカー各社の「夏モデル」がほぼ出そろった。夏モデルの中には「Windows Vista Capable PC」というロゴを付けた製品も多い。このロゴは,Windows Vistaに対応したハードウエアであることを示す証だ。今回は,このロゴに込められた真の意味について考えてみたい。

 Windows Vista Capable PCの要件は,(1)512Mバイト以上のメモリーの搭載,(2)DirectX 9.0対応のグラフィックス・ハードウエアの搭載,(3)最新のプロセッサの搭載,(4)搭載ハードウエアに対するWindows Vista用デバイス・ドライバの提供---である。

 実は,(1)~(3)の要件は,決して高いハードルではない。(1)の512Mバイトのメモリーは最近では当たり前になっているし,(2)はインテルのグラフィックス統合チップ・セット「945」を搭載していればクリアできる。(3)の最新プロセッサの定義は「現在販売されているプロセッサ」(マイクロソフト)なので,パソコン・メーカー各社の「夏モデル」は,すべからくクリアできるだろう。

 Windows Vista Capable PCの要件における最大の難関は,(4)の「搭載ハードウエアに対するWindows Vista用デバイス・ドライバの提供」である。TVチューナ・ボードやメモリー・カード・リーダー/ライター,Bluetoothアダプタなど最近のパソコンが備える様々な種類のデバイスがWindows Vistaで動作することを,パソコン・メーカー(並びにデバイスを供給しているデバイス・メーカー)が約束しなくてはならない(残念ながら「保証」ではない)。

 ところが,Windows Vistaに対応したハードウエア仕様の「正式版」が公開されるのは,米国シアトルで5月23日から開催される「WinHEC(Windows Hardware Engineering Conference) 2006」である。Windows Vistaではグラフィックス・ドライバの仕様が大幅に変更されるほか,「ユーザー・モード・ドライバ」といったデバイス・ドライバの新しい種別が追加される。これらの仕様は現時点で完全に固まっていない。

 デバイス・メーカーにはマイクロソフトから特別なルートで情報が提供されているだろうし,デバイス・メーカー自身がVista評価版での動作検証を進めていることだとは思う。それでも,WinHEC前にデバイスのVista対応を宣言するのは,かなりの覚悟を必要とするだろう(そうでなければWinHECというイベントの意味がない)。

 このように,Windows Vista Capable PCのロゴが付いたパソコンには,「メーカーの覚悟」が込められていると言える。メーカーの覚悟に敬意を表して,Windows Vistaが登場した暁には,デバイスの「Vista完全対応」を期待したい。