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 米Microsoftは4月下旬,Windows Vistaの「ビルド5365」をリリースした。同社は5月22日(米国時間)にWindows Vistaの「Beta 2」をリリースする予定で,ビルド5365は筆者がBeta 2の前にテストする最後のビルドになる。同社が2月にリリースした「ビルド5342」(2月版CTP)と比較していくつかの機能追加があるので,それを確認しよう。

 まず,前回筆者がWindows Vista 2月版CTPのレビュー(現時点で判明した「Windows Vistaの欠点」を暴く)で,Windows Vistaの欠点について取り上げた問題について述べたい。この記事は,様々なコミュニティで話題になった。ほとんどの人は,筆者がMicrosoftの欠点を具体的に批判したことを評価してくれた。また極めて少数の人が失望し,「不当に論争を呼び起こして読者を獲得しようとした」と言って筆者を批判する人もいた。

 筆者は,物議を醸すようなことをしたつもりはない。筆者はかなり前から,Windows Vistaの欠点を指摘するつもりでいたし,筆者があの記事に掲載した問題点のリストは,始まりに過ぎない。筆者は,Windows Vistaの真実を知ってほしいだけである。筆者はWindows Vistaが立派なものになってほしいと思っているが,もしそうなっていないのであれば,その欠点をただ記すだけだ。

 また,Windows Vistaには,欠点もあれば長所もある。また,全くの駄作であるわけでもない。前回のレビューの後に登場した「ビルド5365」を見ても,Windows Vistaに様々な改善がなされていることが分かる。Microsoftの内部の問題や,Windows Vistaが直面している問題が一夜にして解決されることはあり得ないだろう。しかし,Microsoftにはそのことを気にしている人たちが何人もいるし,彼らはWindows Vistaをより良いものにしょうとしている。彼らに期待するしかない。

ビルド5365での最大の変化はユーザー・アカウント・コントロール

 筆者は2月版CTPのレビューで,ユーザー・アカウント・プロテクション(UAP)の問題点を指摘した。これは非常にイライラする機能で,認証ダイアログ・ボックスを本当に頻繁にポップアップさせる。本来UAPは,MicrosoftがWindowsに追加した非常に素晴らしい機能の1つであった。しかし,ひどい形で実装されてしまった。

 ビルド5365で,UAPの見た目は劇的に変化した。しかし,イライラが減ったわけではない。UAPには,潜在的なセキュリティ上のぜい弱性を取り除くための変更が加えられた。それが見た目の変化となったのだ。

 ビルド5365では,UAPの警告ダイアログ・ボックスが出てくるシーンで,ダイアログ・ボックス以外のデスクトップ画面が黒くなり,クリックできなくなった(図1)。これは「セキュア・デスクトップ」と呼ばれている。


図1:ユーザー・アカウント・コントロール(UAC)の警告画面が表示されたところ
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 Microsoftの内部ソースによると,同社のセキュリティ・チームは,本物のマウス・カーソルを偽物の下に隠すことで,ユーザーにキャンセル・ボタンをクリックさせるようにし向けて実は攻撃用コードの実行ボタンをクリックさせるという「カーソル偽装攻撃」を防ぐ技術を開発したという。セキュア・デスクトップも,同じ目的の技術の1つだ。最近,Windowsやセキュリティ・ソフトの警告画面に似せたWebページを表示させて,ユーザーにスパイウエアをインストールさせようとするWebサイトが増えている。こういった偽のセキュリティ警告との違いが,UAPの警告画面に実装されたのだ。とはいえ,ユーザーはUAPの警告画面にイライラするだけでなく,UAPの処理が終わるまでほかのことを何もできなくなったと言える(図2)


図2:UACの警告画面が出ている間は他の処理が実行できない
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 UAPのセキュア・デスクトップは,Windowsにログオンするのに「CTRL+ALT+DEL」を押すと,それ以外の画面が表示されなくなるのと同じアイデアである。よって,間違いなく安全だと言えるだろう。しかし,この機能はかなり独特であり,ビデオ・ドライバによっては不具合が生じかねない。完成度の低いビデオ・ドライバでは,解像度が勝手に変わったり,空白の画面が出たりするなど,UAPの動作中に画面がおかしくなることがありうる。

Windowsサイドバーがデフォルトで表示される

 製品版でどうなるかは不明だが,ビルド5365ではログオンしたときに「Windowsサイドバー」がデフォルトで表示されるようになった。Windowsサイドバーには,「スライドショー」と「時計」,「フード・ビューア」という2つのツールがデフォルトでロードされている(図3)。ビルド5365には,様々なサイドバー・ツールが搭載されていた。CPUメーターや通貨変換ツール,スティッキー・ノート(付せん),株価表示ツール,天気表示ツールなどである(図4)


図3:Windowsサイドバーがデフォルトで有効に
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図4:サイドバー用のアプリケーションが10種類以上標準搭載されている
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