PR
 Software Update Services(SUS)は企業ネットワーク内でWindows 2000以降のOSを更新するための仕組みである。SUSでは,個々のクライアントが更新プログラムをダウンロードする代わりに,SUSサーバーが一括してダウンロードし,クライアントに配布する(図1)。管理者は,ダウンロードした更新プログラムがクライアントに悪影響を与えないことをテストした上で配布できる。加えて,クライアントが個別に更新プログラムをダウンロードする必要がないことから,ネットワーク・トラフィックを削減できるのもメリットである。

図1●SUSで更新プログラムの配布を管理する仕組み
SUSサーバーがWindows Updateサイトから更新プログラムをダウンロードして,各クライアントに配布する。クライアントが個別にダウンロードするのと違って配布するパッチなどを制御できる。

 SUSは,Windows 2000 Server(SP2以降)およびWindows Server 2003で稼働する。SUSのプログラム本体は,マイクロソフトのWebサイトから無償でダウンロードできる。インストールする際には,先にInternet Information Services(IIS)5.0以降,Internet Explorer(IE)5.5以降をインストールしておく必要がある点に注意してほしい。IISは更新プログラムを配布するWebサイトを公開するために,IEは管理用のWebページを表示するために必要になる。

 一方,SUSのクライアントとなるコンピュータ(デスクトップまたはサーバー)では,Windowsの自動更新を有効にする必要がある。自動更新は,Windows Updateサイトで公開された更新プログラムを自動的にチェックし,ダウンロードしてインストールする機能である。この機能を利用することで,更新プログラムをスケジュールに基づいてインストールするようにクライアントを設定できる(図2)。SUSが導入されている環境では,この自動更新がWindows Updateサイトの代わりにSUSサーバーから更新プログラムをダウンロードすることになる。

図2●[システムのプロパティ]ダイアログ・ボックス
[自動更新]タブで自動更新を有効にする。ダウンロードやインストールを自動的に実行するかどうかを設定できる。

 ただし,SUSを利用するためには,SUSに対応したバージョンの自動更新が必要になる。このバージョンは,Windows 2000 Professional/Server/Advanced Server(SP2以降),Windows XP Professional/Home Edition,Windows Server 2003で動作する。Windows 2000 SP2およびSPを適用していないWindows XPの場合は,マイクロソフトのWebサイトから自動更新のMSIパッケージをダウンロードしてインストールする必要がある。Windows 2000 SP3以降,Windows XP SP1以降,Windows Server 2003の場合は,標準のものをそのまま利用すればよい。

 このほか,クライアントの自動更新がSUSを利用するように設定するためには,グループ・ポリシーの設定,もしくはレジストリの修正が必要だ。つまり,Active Directory環境ではグループ・ポリシーを利用して簡単に構成できるが,ワークグループ環境では個々のクライアントについてレジストリの値を書き換えなくてはならない。このことから,Active Directory環境にSUSを導入することが推奨されている。

 さて,設問のようにSUSをバックアップする場合,(1)IISメタベース,(2)IIS Webサイトのホーム・ディレクトリ,(3)SUSコンテンツ,の3つをバックアップ対象に含めなくてはならない。(1)と(2)は,SUSがWebサイトとしてクライアントにサービスを提供するために必要となるものだ。(3)は,これまでダウンロードしたWindowsの重要な更新やセキュリティ・ロールアップなどのファイルである。

 IISメタベースのバックアップを作成するには,[インターネットインフォメーションサービス(IIS)マネージャ]を使用する(図3)。まず,画面左側のツリーでバックアップを作成するサーバーを選択し,[操作]−[構成のバックアップ/復元]メニューを選択する。[構成のバックアップ/復元]ダイアログ・ボックスが表示されたら,[バックアップの作成]ボタンを押す。以上の操作でIISメタベースのバックアップ・ファイルが%windir%\system32\inetsrv\metabackに保存される。

図3●IISの管理コンソールでバックアップを作成する
[インターネットインフォメーションサービス(IIS)マネージャ]で[操作]−[構成のバックアップ/復元]メニューを選択し,表示されたダイアログ・ボックスで[バックアップの作成]ボタンを押す。

 IISメタベースのバックアップを作成した後,続いてバックアップ・ユーティリティを実行してデータをバックアップする(図4)。バックアップ・ユーティリティでは,Webサイトのホーム・ディレクトリ(既定ではC:\Inetpub\wwwroot),SUSコンテンツの保存場所(C:\SUS\content),IISメタベースの保存場所(%windir%\system32\inetsrv\metaback)をバックアップ対象として選択する。これで,バックアップを復元した際にSUSのサービスを再構成できるようになる。

図4●[バックアップユーティリティ]の画面
Inetpub\wwwroot,SUS,%windir%\system32\inetsrv\metabackの3つのフォルダをチェックしてバックアップを実行する。

 なお2005年6月には,SUSの後継バージョンである「Windows Update Serives」がリリースされた。WSUSではWindowsだけでなく,Office,Exchange Server,SQL Serverなどの更新もサポートする。これから導入するのであれば,よりサポート期間の長いWSUSをお勧めする。

日経Windowsプロ2005年7月号掲載
藤田 将幸=グローバルナレッジネットワーク