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ビフォー・ アフター

 2004年10月にエヌケーケートレーディングと川鉄商事が経営統合して誕生したJFE商事。同社は、2008年度末までにグループで10%の在庫削減を目指している。このために、販売会社の在庫最適化を支援する専門チームを結成した。

 専門チームの役割は、販売会社の損益管理を徹底することである。これまでの品ぞろえで勝負する売り上げ重視から利益重視に転換させることだ。販売会社の拠点には数人しかいない小さな拠点もある。このようなところでは、分析を担当する人員が割り当てられない。こうした拠点に最適化チームが現場に入って一緒に議論することで新体制を浸透させてきた。

 具体的には、販売経路別の収益管理の徹底や品ぞろえの見直しに取り組んできた。この改革に取り組んだ営業所では、在庫回転日数が5カ月から2.5カ月に半減できた。


最適化チームの支援によって、旧2社の倉庫を統合した八戸地区の倉庫(上)。JFE商事が扱う商品群(右)
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●効率的な置き方による面積削減の例
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 JFE商事がグループを挙げて、利益重視に転換する改革に取り組んでいる。同社は、エヌケーケートレーディングと川鉄商事が経営統合してできた企業。旧2社はライバル同士で、全国各地に販売網を整備してきた。同じ地域に営業拠点が重複するなど多くのムダがあった。

 同社は中期経営計画でグループの在庫を10%削減することを目指している。これを達成するために、2004年に物流最適化チームを結成。販売会社の品ぞろえや輸送経路などにムダがないかを洗い出して統合効果を高めることが狙いである。2004年5月から2005年12月に改善活動に取り組んだ東北地区は、旧2社がそれぞれ所有していた倉庫を統合し、在庫回転日数を5カ月から2.5カ月へと半減させた。

共通の考え方を導入

 最適化チームの役割は、販売会社に採算管理の徹底できる環境づくりを支援することである。従来は、粗利益は販売経路別で管理していたものの、経費は拠点単位でしか管理していなかった。売り上げを重視する風土が根付いており、経費がかかっても品ぞろえを強化するという体制だった。

 各販売会社には粗利益など基礎情報のデータベースがあるものの、販売会社によって管理している情報量には差があった。さらに販売会社の分析力となると、拠点によって大きな差が出る。数人の小規模拠点だと分析担当者を置いていないことも少なくない。

 だが在庫管理を行うのは各拠点であり、在庫を削減するには担当者が利益重視への意識改革することが欠かせない。最適化チームが現場に入り込んで、品ぞろえの見直しや品種別の収益管理の方法を教えていく。利益重視の意識改革を前線まで浸透させることによって、2008年度までにグループ全体で在庫を1割削減することを狙う。

 営業拠点には3種類の販売経路がある。(1)注文を受けて商品は自社を経ずにメーカーから直接納品する「メーカー直送」、(2)自社に在庫がない商品を同業他社から仕入れる「問屋からの買いつなぎ」、(3)自社倉庫にある商品を販売する「在庫販売」である。従来は、粗利益別で管理していたものの、経費は拠点単位でしか管理していなかった。

 新体制では、利益重視に転換するために販売経路別に経費を把握できる体制に切り替えた。品ぞろえも経験と勘に頼っていたが、滞留期間や粗利益が高い順にそろえるようにした。

 まず、この体制を東北地区で取り入れた。実際に取り組んだ八戸地区には、旧2社の倉庫が数km以内にあった。それぞれが660m2の倉庫を持っていた。営業損益が赤字であったため、倉庫を統合して固定費削減を目指すことにした。