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写真1 Boot Campの画面例
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写真2 MacBook ProでKNOPPIXが起動しているところ
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写真3 MacBook ProでEtchのインストーラが起動
写真3 MacBook ProでEtchのインストーラが起動
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写真4 MacBook ProのHDDからEtchが起動して表示されたログイン画面
写真4 MacBook ProのHDDからEtchが起動して表示されたログイン画面
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写真5 「Windows」を選択するとWindows XPが,「EFI Boot」を選択するとEtchが起動する
写真5 「Windows」を選択するとWindows XPが,「EFI Boot」を選択するとEtchが起動する
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 米Apple Computer社が,米Intel社のCPUを搭載した新しいMacintosh(インテルMac=Intel Mac)を,「iMac」「MacBook Pro」「MacBook」というように続々と市場に送り出している。現在のMacの勢いは,新しいハードウエアの魅力に加えて,Mac OS XとWindows XPのデュアル・ブートを実現するソフト「Boot Camp」(写真1関連記事「インテルMacでWindows XPとKNOPPIXが起動」)によるところも大きいだろう。

 インテルMacへのLinuxの導入は,出荷が開始された直後から多くのユーザーが試みてきたがなかなか困難だった。インテルMacとPCには次のような違いがあるからだ。

 まず,電源投入からOSをロードするまでの起動プロセスが異なる。PCがBIOSで各デバイスを初期化しているのに対し,インテルMacはIntelの新しいブート機構「EFI」を採用する。また,EFIではハード・ディスクのパーティション・テーブルについても,従来のMBR方式に替わる「GPT」が規定されている。GPTは,最大128個のパーティションを管理できるなどMBR方式から大幅に改善されたディスク管理手法だ。

 こうしたPCとMacの違いを解消したのがBoot CampおよびBoot Campと同時に公開された新しいファームウエアである。Boot Camp自体は,導入手順をガイドする「Boot Campアシスタント」と,Windows XP用デバイス・ドライバを提供する。Windows XPの起動で重要な役割を果たしているのは,新しいファームウエアへの更新によって導入されるBIOS互換機能だ。

 最新のファームウエアにアップデートすることで,インテルMacはそれまで不可能だったWindows XPインストールCDからの起動が可能になる。となれば,Windows XPだけでなくLinuxも起動するかもしれない。実際,「KNOPPIX」等の1CD Linuxは,一部のデバイスが機能しないものの普通に起動する(写真2)。Fedora Coreなど多くのLinuxディストリビューションにおいても,インストーラが起動するまではPCと同様に動作する。

 ところが,Fedora Coreなどでインストーラから導入を進めようとしても,途中で止まってしまう。これは,多くのLinuxディストリビューションのインストーラが,MBR上のパーティション・テーブルを参照するように作られているためだ。解決するには,GPTに対応したインストーラが必要になる。そこで導入候補として浮上するのが,Linuxディストリビューション「Debian GNU/Linux」のテスト版(Etchと呼ばれる)である。

 Etchのインストーラは,2006年3月にリリースされたベータ2の段階で,既にGPTに対応している。手元のMacBook Proで試したところ,一部に問題は生じたものの,インストーラ(写真3)を用いて導入し,起動することを確認できた(写真4)。具体的な手順等は日経Linux2006年7月号で紹介しているので興味のある方は参照されたい。

 Etchのインストーラが使えることで,かなり楽に導入ができる。すぐにはネットワークが使えないなど細かなトラブルはあるものの,改良が進めば初めてLinuxを使う人でも導入できるレベルになるのではないだろうか。ただ,既にWindowsがインストールされている環境にEtchをインストールする場合には注意が必要。インテルMacは,GPTと同期する形でMBRも備える。WindowsはMBRを参照して動作するが,Etchのインストーラはパーティション設定の段階でMBRパーティション・テーブルを初期化してしまう。このため,既にWindowsがインストールされたハード・ディスクにEtchをインストールするとWindowsが起動しなくなる。ただ,手順を踏めば,Mac OS X,Windows XP,Linuxのトリプルブート環境も構築できる(写真5)。

 インテルMacは,Linuxプラットフォームとしても,今後ますます面白くなりそうだ。