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 筆者は先日,Exchange Server 2007に搭載される「ユニファイド・メッセージング(統合メッセージング)」という新機能に関する紹介記事を執筆した(「Exchange 2007の新機能,ユニファイド・メッセージングとは?」)。この記事に関して読者からいくつかの疑問を頂いたので,今回はその疑問への回答をお伝えしたい。最も多かった質問は,「統合メッセージング機能がどのPBXで動作するか」というものだった。

 先の記事で筆者は,「一部のPBXシステムはExchangeの統合メッセージング機能が使用する2つのプロトコルをネイティブでサポートしている」と説明した。そのプロトコルとは,セッション開始プロトコル(SIP,通話の開始および終了に使用する)とリアルタイム・プロトコル(RTP,音声データをPBXから統合メッセージング・サーバーに移動するために使用する)である。一部のPBXでは独立したゲートウエイの使用が必要になる。残念ながら「X社のPBMがExchange統合メッセージング機能で使用できるか?」という質問に対する答えは,「状況による」である。そのPBXが「SIP over TCP」と「RTP over TCP」をネイティブでサポートしているのならば,Exchangeの統合メッセージング機能が使えるかもしれない(ただしMicrosoftは相互運用性テストの結果をいまだに公開していない)。PBXがこれらのプロトコルをサポートしていない場合でも,Exchange 2007の統合メッセージング機能用にサード・パーティが販売する「PBXゲートウエイ」が使えるのであれば,Exchangeの統合メッセージング機能が使える可能性がある。このような製品は米Intelや米AudioCodesが販売している。

 人気の高いLinuxベースのソフトウエアPBXである「Asterisk」に関する質問もいくつかあった。筆者の友人には,Asteriskのインストールを支援する「Digium」という会社で働いている人が何人かいるので,筆者はAsteriskの熱烈な支持者である。残念ながら,Exchange 2007の統合メッセージング機能は,Asteriskでは使用できない。なぜならAsteriskがサポートしているのは「SIP over UDP」だけであり,Exchangeがサポートしているのは「SIP over TCP」だけだからだ。

 Exchangeのテクニカル・プロダクト・マネージャであるMichael Khalili氏によれば,Microsoftはセキュリティおよび相互運用性の2つの理由からSIP over TCPの使用を決定したのだという。マーケット全体で見れば,TCPがSIPトランスポートとして優位に立ちつつあるのは明らかであるが,どういうわけかAsteriskのコミュニティは製品にTCPサポートを追加しなかった。AsteriskがTCPをサポートするまでは,Exchange 2007と併用することはできない(ただし,何らかのSIPゲートウエイ製品を使用して接続できるようになる可能性はある)。

 Exchangeを中小企業に導入する問題や,中小企業がExchangeの統合メッセージング機能にどう取り組むべきか質問するメールもいくつかあった。Exchangeの統合メッセージング機能のためだけに,独自のサーバーを用意する必要はないので,現在Exchangeサーバーが1台しかない場合でも,そのサーバーをアップグレード後に継続して使用できる。Khalili氏が筆者に語ったところによると,Exchangeの統合メッセージング機能の現在の実装では,同時に処理可能な通話はサーバー1台当たり50~100接続であり,統合メッセージング機能用に専用のサーバーを用意すればこの上限は100接続に近付き,他の機能も同時に使用すれば少なくなるとのことだった。従ってMicrosoftのサイジング・ガイドも,同時に受ける通話が100接続以内の場合は1台のサーバーで処理できるが,それよりも多い場合は複数のサーバーが必要になるであろうという単純なものである。

 Exchangeに堅牢で機能が豊富な統合メッセージング機能が搭載されることによって,Microsoftは他社との競合において大きなアドバンテージを得るだろう。なぜなら現状では,ExchangeまたはLotus Notesで使用可能な本格的な統合メッセージング・システムは,多くの中小企業(SMB)にとっては高価かつ複雑になる傾向があるからである。大企業であればCisco CallManagerやAdomo Voice Messagingなどの製品を導入できるが,小さな組織ではこれらを購入したり運用したりはできない。Exchangeの統合メッセージング機能にはまた,音声認識エンジンのほか,電話経由でカレンダ・データにアクセスする機能など,他の競合製品にはない機能がいくつか用意されている。

 ボイス・メールとFAXをわずかな費用の増加で統合できるのもExchange 2007の魅力だ。より柔軟な通信環境を「Scary Phone Guys」といった製品を導入せずに手に入れたい組織にとって,Exchange 2007は大きな魅力に写ることだろう。